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キミとアイドルプリキュア♪ 第4話 「レジェンドアイドル!?響カイト」 感想

キミとアイドルプリキュア♪ 第4話 「レジェンドアイドル!?響カイト」 感想

老若男女を惹きつけるレジェンドアイドル・響カイトに見る理想のアイドル像。

作中でも生きるレジェンドと称されるアイドルの響カイトとの邂逅により、うたとななが感じ取り学んだことはまさにアイドルプリキュアのアイドルの部分。前々回がアイドルプリキュアとしての使命感を描いた回だとするならば、今回はカイトとの交流や彼の立ち居振る舞いを間近に見る中で、本作におけるアイドルとしての在り方や意識。その見聞を広める。

ななとうたの二人だけでなく視聴者目線においても本作のアイドルに対する意識付けや位置づけを改めて示す意味合いがあったように感じられました。自身の手伝い歴の長さからウエイターとしての自負を持ちつつも、何でも器用にこなしてしまうカイトの万能さに対し、うたは引け目を感じてほんの少し妬んでしまっていましたが、実家の接客業にしてもアイドルにしても勝ち負けや優劣が重要なのではないのである。

これがいわゆる一般的な意味でのアイドルであるなら、他者との競争とか優劣という一面を避けては通れないかもしれない。しかし、本作のアイドルに求められるのはそういうところではないのです。見てくれる人を勇気づけたり元気づけたりして、楽しい気持ち=キラッキランランになってもらうことが何よりも大切なことというのは、これまでの回でも描かれてきたことだと思う。

うたやなながアイドルプリキュアとして活動するのは、地位や名声の為でもないし一般の人から称賛されて栄誉を得ることではないのです。ましてお給料を貰っているわけでもなく、彼女たちがアイドルプリキュアとして活動するのは自分の得意なことで大好きなことでもある歌やピアノの演奏を通し、周りにいる人達が笑顔になることに何よりの喜びを感じるから頑張れるのである。

自分が褒め称えられること以上に周りが喜んでくれることに幸せを感じる。また会いたくなる人でいたい。次会うことを楽しみに思ってもらえるような人に。響カイトのアイドルとしての矜持を思わせる台詞にも、それが端的に表れていたと思いますが、自分の凄さをアピールすることに躍起になったりするタイプではなく、常に自然体で周りを楽しませることに終始する爽やかさを伴った人物たり得るのだと。

自分の出来をアピールするのではなく周りとの優劣の比較でもない。彼にとっては自分が周りを楽しませる為にどう動くかが大切であり、彼との比較で物事を図ってしまったうたとの違いもそこにある。でも、目に見える凄い人がいないいつもの日常の中でなら、うたもそれを自然に行っている。

お店のお手伝いにしてもそうだし赤ちゃんを始め、常日頃お客さんを笑顔にすることに重きを置き、それを自然体で行っているうたも本質的には彼と同じ「アイドル」なのである。だからこそ最初は反発して拗ねた態度も取ってしまった彼が、人知れず海岸で歌う姿を見てこの人も自分と同じなのだと。歌うことが心の底から大好きで喜んでもらえることに幸せを感じる人だと感じ取れたからこそ親近感を抱けたし素直になれたのではなかろうかと。

本作キミプリのアイドルは単に商業的なアイドルを意味するものではない。そういった性質は含みながらもアイドルプリキュアとしてのアイドルに求められるものは何なのか?響カイトとの交流を通してうたの本質的な部分も絡めつつ、その意義を存分に描き出してくれていたかと思います。

それ以外にも女王様の忠告を顧みずキュアウインクの動画を無断アップロードしているプリルンの反省のなさだったり、前回の気弱な姿が鳴りを潜めてうたと軽快な掛け合いをしつつ多彩な表情を見せてくれるななの溶け込みっぷりだったり。プリキュアの正体を知る最後の謎の男性の思わせぶりな登場だったりと随所に見どころのある回でした。

老若男女みんなに好かれる生ける伝説。レジェンドアイドル・響カイトにここまで言わしめるうたちゃんも流石なのである。もうコテコテというか王道を行く少女漫画のような展開と台詞回しであったかもしれませんが、初めてうたの年頃の少女らしい照れ具合を見られただけで個人的には価値があるシーンでした。主要キャラに男性キャラがいないなので当然と言えば当然なんだけど。

今後うたとカイトのロマンス展開があるかどうかは分からない。そもそもカイトの登場頻度はそこまで高くないかもしれないし、前作わんぷりの悟のようにいろはと長年付き合いのある幼馴染のような深い間柄でも今のところない。安易にそういう関係性の進展はないと思うし、アイドルが題材にあるとは言ってもそういう側面のアイドル要素は入れない気もします。本作が求めるアイドル像のことを鑑みてもですね。

ただ、一応前例は既にあると言えばありますし、今後彼が再登場した際のうたの反応なんかも気にしながら見ていけたらいいなと。恋人とか恋愛とかそういうのは抜きにしても、こういう可愛らしい反応を見るのは微笑ましいし良いものでもあるので。

「また会うのが楽しみになるようなアイドルになりたい」。「きっとまた会うのを楽しみに、それまでを頑張ってもらえる」。響カイトのアイドルとしての矜持を感じさせる台詞を見た時に、アイカツ!10th STORYで星宮いちごさんが語った自分の目指すべきアイドル像と、響カイトの理想とするアイドル像が合致していてですね。ここにレジェンドアイドルの文脈を感じずにはいられませんでした。

放送開始前に実質アイカツというようなことを自分も言っていたのですが、やはりアイカツを長年見てきた身からすると、今回のカイトの台詞は殊更に味わい深いものがあり私の心に響いたのです。カイトを演じる佐久間大介さんがリアルの超人気アイドルというのもあるんですが、時代や作品の垣根を超えて伝わるものがあるのって良いなと改めて思わされた次第です。