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ひみつのアイプリ 第45話 「つむぎちゃんを救え!」 感想

ひみつのアイプリ 第45話 「つむぎちゃんを救え!」 感想

つむぎの正体とアイプリバースの実態が遂に明かされる。

アイプリバースの基幹システムの設計にひまりの父である友希が、アイプリブレスの製作にみつきの祖父母が携わっていたことが判明し、アイプリバースの実情に関して誰よりも詳しいであろう友希によって、つむぎの正体が現実には存在しないAIであることと、彼女がアイプリバースと密接に結びつき同義的な存在であることも併せて語られたことで、アイプリ世界の根幹に纏わる設定はほぼほぼ明かされたことになる。

それによってアイプリバースにアイプリブレスを用いてバースインする際に用いられているエネルギー。ひまりが命名した言葉を借りれば「おともだちエナジー」なる力によってアイプリたちの活動が支えられていること。それを生み出しているのは各アイプリを応援するプリトモ達の声援によるものであることも判明しましたが、これによってアイプリとプリトモ。

この両者の双方向の結びつきがアイドルとファンという枠組みが持つ意味合いのみに留まらず、アイプリバースを形成するに不可欠な要因として成立していること。ひいては当初はプリトモの存在を顧みることなく自分を見ろ!というスタンスでアイプリとして活動していながらも、ひまりやみつき、つむぎとの交流によってプリトモの存在を意識するようになり、彼女らに向けて歌を届けようとするようになったチィのスタンス。

その変遷に大きな意味合いを持たせるのと同時に、自分の弱さや過去のスタンスの象徴。その延長線上に居る存在でもあるダークチィとの決着。真実夜チィという一人のアイプリが飛躍を遂げるにあたって壁を乗り越えることの意味合いとも重ねて見せることの巧さも際立っていたと思います。自分だけで完結するのではなく、ライバルやプリトモ達をも交えて輝きを放ち盛り上げる。

それこそがアイプリバースの理念にして本懐でもあるのだろう。つむぎが囚われの身から開放されたのも、ひまりやみつきがエナジーを受け渡していたこともさることながら、何より大きかったのは同じくつむぎと親交を温めていたチィが、アイプリとして大きく花開きプリトモ達が応援したい、称賛を送りたいと思えるようなパフォーマンスをライブで示し、より多くのおともだちエナジーを生み出してみせたことが最大の要因だったのではないかと思える。

アイプリの世界観の根幹部分の開示だったり、囚われていたつむぎの開放と色々な見せ所があった今回のお話でしたが、何よりも印象に残ったのが真実夜チィという一人のアイプリが自分の弱さや至らなさを受け止めつつ、それでも自分を見てくれるアイプリ達の為にも歩みを止めずに頑張るという意思の強さを見せ、自分の負の面の象徴にして自身の弱さが生み出したダークチィをも納得させたことに尽きる。

アイプリバースの根幹部分の設計と理念。そこにチィの物語を緻密に絡めて描き出す素敵な回だったと思います。ともすればチィが主人公ではないかと思えるくらいに今回のチィは格好いい主人公ムーブを見せてくれていた。真実夜チィ、やっぱりお前がナンバーワンだ。

色々な見せ場はあれどもやはり今回はチィの物語。その一つの到達点でもあったと思います。その中でもチィとダークチィの丁々発止の掛け合いはテンポも良くて心地よく、特に直接対決となったライブ後のやり取りは非常に見応えのある名シーンとして私の中に刻み込まれました。

対決ライブが終了した直後では、チィは自身の負けを、ダークチィは自身の勝ちを悟っていたような感じを放っていましたが、かつてのカルテットスターとの直接対決の時と同様に、圧倒的強者との対決で力の差を見せつけられねじ伏せられたとしても、それでも今はあの時と異なりライバルの顔を見て、そんな自分のことを応援してくれるプリトモの期待に応えるべく頑張り続けることを。

何度壁にぶつかって心折れそうになっても歩みを止めない覚悟を、自分の負の感情が生み出したダークチィを真っ直ぐ見据えて告げてくれたのである。その直後なのですよね。つむぎの拘束が解かれたのもダークチィのチィを見る目と応対に変化が生じたのは。これこそがチィがアイプリとして飛躍を遂げた何よりの証であり、同時にアイプリとしての理念を体現してくれた証でもあるのだろう。

繰り返しになりますがアイプリとしてチィが歩んできた軌跡。彼女の心の変遷。それをアイプリバースの根底にある要素と絡めることで、より印象的なシーンとして昇華されていたように感じる。見てくれるプリトモがいるから頑張るしかないと彼女が言ってくれたのです。自分が輝くことばかりに執心していた最初の頃のチィを思い返すと感慨深いものしかないのである。

プリトモの声援があって初めて成り立つアイプリバース。その基幹部分は初期によくサクラが言及していたアイプリ全体を盛り上げたいという理念にも合致する。プリトモあってのアイプリの活動。それも込みで一人のアイプリ真実夜チィとして成長した姿を見せてくれたからこそ、サクラも最大級の賛辞を惜しまないのだ。あの時は手に出来なかったライバルからの称賛とグランプリコーデを獲得した事実。それらがチィが成長した事実を端的に物語ってくれていたように映りました。

とまあ今回は全体的に良いところをチィに持っていかれた感じはありますが、アイプリバースを巡っての最大の障害は未だ健在。もっとも恐るべき力の象徴たるダークカルテットスターに対し、シークレットフレンズの三人はアイプリとしてどのような可能性を示してくれるのか。つむぎを救出できたことは喜ばしいが、それだけでは終われない!

本作の主人公であるひまり&みつき。そしてアイプリバースそのものと言っても過言ではないつむぎが、力が全てを掲げるダークカルテットスターに対し、アイプリとしてどのように立ち向かい、自らの信ずる理念を体現する存在になれるのか。つむぎの犠牲の上に成り立つアイプリバースなんてもってのほか!一年目の終盤がここからどうなっていくのか本当に楽しみ!