密やかに伸びやかに

アニメ、PCゲーム、PC関連のニッチな備忘録

ひみつのアイプリ 第30話 「ミラクル!?ハロウィン」 感想

ひみつのアイプリ 第30話 「ミラクル!?ハロウィン」 感想

果たしてハロウィンの日に様々な奇跡は起こるのか!?

ひまり達がパラダイス学園のイベントとしてハロウィンを純粋に楽しむ光景が見ていて微笑ましい。アイプリとしての活動に繋がる何かという観点ではなく、リアル世界の横の繋がりというか一般イベントを普通に楽しむ姿は、本作だと何気にレアな機会ではないかなとも思える。いつもは頼りがいのあるみつきも、オバケが苦手というお約束の属性を備えているが故に、相対的にひまりが引っ張る側に回るのも新鮮でした。

皆で仮装を楽しみながらお菓子を求めて練り歩く。そんな王道のハロウィン要素を踏襲しつつ、あの世とこの世が繋がるハロウィンというイベントの属性を踏まえて、学園の七不思議的な怪談になぞらえる形を取り、普段は意識しないところに目を向けるという体で、生徒会長であるサクラの秘密に迫り、それが主要キャラたちに公にされるところが見どころでもあったかなと。

人によっては恥ずかしいかもしれないが、かといって大手を振って周囲に喧伝できる類のものでもない秘密。それが本人の意に沿わぬ形で白日の下に晒されるのは、ある意味で真偽が定かではないオバケやホラーよりも恐ろしい現実であるかもしれない。結果的に推しアイプリであるみつきが好意的に受け止めてくれて、励みになると前向きに捉えてくれたし、周囲の理解も得られたのでサクラ的にも嬉しい誤算かもしれないが。

それも含めてハロウィンの奇跡ということで。また、チィが一時的にひまりとみつきと離れたに、入れ替わる形で合流していた三人以外には見えてない謎の人物の正体は。ナレーションを務めていた八雲の茶目っ気かとも思ったけど、それだと三人以外に見えていないのが不思議なのでやはり本物というホラー要素を交えた回のお約束のオチもグッドでありました。

次回の内容にもよるけれど仮にチィが幼い頃に約束を交わした人物が…。だとしたら死者と聖者が入り交じる今回のハロウィンの捉え方も若干変わってくるところはあるかもしれないが。はてさてどうなりますか。まぁ私達はめが姉ぇという時空の超越者を常日頃から見ているので、それに勝る不思議や秘密はプリティーシリーズにはないのかもしれない。

何はともあれ重苦しい要素や本筋に絡む流れに直結しない。純粋な意味でハロウィンを楽しむアイプリ達の姿を楽しむことが出来た回でした。信じる子にだけ奇跡は起こる。自分の信念を貫き努力を欠かすこともない。そんな真実夜チィの次回のメイン回も本当に楽しみです。

上でも少し触れたけどハロウィンに纏わるオバケや学園の不思議よりも遥かに怖い現実が、今回そこかしこに溢れていてですね。みつきがカワイイコレクション回で突如として披露したスライム化を当然のように再び行い、それを周囲も当然のものとして受け容れて何でもないかのように会話が進行していくのもホラーと言えばホラーですし。

また、人知れず推し活に励んでいてアイプリみつきのグッズで部屋を埋め尽くしていたサクラの所業は上述した通りなのである。まぁ推しである桃山みらいさんの姿を盗撮した挙げ句に、暗めの部屋で八画面分割でそれを見守っていた虹ノ咲だいあさんという偉大なる先達がいたので、これくらいならまだマシかと思えるのも傍から見たら恐怖なのかもしれません。

ともあれ事実は小説より奇なり。オバケや学園の不思議とされた開かずの扉よりも、これらの現実で起こっていた一連の描写が一番のホラーだったんじゃないかというお話。

今回のハロウィンイベンの主役はあくまで一年生というスタンスを取りながらも、同日に誕生日で別の意味で主役でありパートナーでもあるアイリへのプレゼントを、ハロウィンとは別にちゃんと用意しているリンリンが最高でした。アイスマイリンの強固な結びつき。その更なる高まりを感じずにはいられないのです。これもまた何物にも代えがたいハロウィンの奇跡の一つということで。