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ひみつのアイプリ 第55話 「対決!クリーニングマッチ」 感想

ひみつのアイプリ 第55話 「対決!クリーニングマッチ」 感想

本気で競い合い相容れない気持ちをぶつけ合うことで得られるものもある。

およそ一年ぶりとなるスクールクリーニングマッチ回。昨年と異なり寮対抗ではなく、スターアイプリのひまりとみつきをそれぞれリーダーに据え、二つのチームに別れてのお掃除対決となりましたが、ひまりとみつきの仲良しコンビと対照的に言い争いばかりするじゅりあとえるのコンビを軸に、一年前と真逆となるような回答を導き出す話運びが興味深い。

二つのチームに別れても融和路線よろしく。力を合わせた方が合理的だし、そもそも意見の対立を見ることがほぼないひまりとみつきの関係性は揺るぎないものがある。いつも以上に過剰なまでの仲睦まじさをアピールする二人がいましたが、彼女達のスタンスは長きに渡って築き上げられた幼馴染としての間柄と、この一年あまりのアイプリとしての活動の中で得た経験によって構成されているのです。

時に競い合うことの意義を身にしみて痛感した二人でもありますが、ダークアイプリやスターアイプリであるカルテットスター、ライバルのチィとの対決や競い合いの果に、最終的には勝ち負け以上にアイプリを楽しみ、何より自分の思いを素直に表現することに一番の意味を見出したのが一年目の物語でもある。

大一番での競い合いの中で自分の素直な思いを全力で表現し、ぶつけあった今のひまりとみつきは、ある種の充足を得ていて停滞した状態とも言える。そこに楔を打ち込むのが二人とは真逆の喧嘩ップルのじゅえるの存在だと思うわけです。何事においても反発し相手への反骨心から自分でも思いも寄らないパフォーマンスを発揮し、感情的になるが故にいつもは胸に秘めている自分の思いを素直に表に発露している。

アイプリを心から楽しむこと。アイプリとしてその活動の中で自分の思いを素直に表現すること。競い合いの中でもひまりとみつきが対立することは殆どなかったけれど、今回のじゅりあとえるのように真逆の在り方にもかかわらず、ひまり&みつきが一年かけて到達した答えと領域に、デビューから間もないじゅりあとえるが意図せずして体現して見せているのが脅威とも言える。

その上でスターアイプリとなった自分たちですらまだ成し得ていないジュエルバズリウムチェンジを、デビュー間もない二人が既に複数回達成しているからこそ、最後にみつきが彼女達を見て「自分たちにはないものを持っている」という反応に繋がるのだと。対照的でありながらも停滞していた自分たちを越えるものを見せる後輩アイプリ。そこに見る新たな可能性。

これはまさに一年前にスターアイプリでありながらも、当時新人であったひまり&みつきに未知であったバズリウムチェンジを先んじて披露され、脅威の新人アイプリの登場に新たな可能性の到来とアイプリバースの進化を感じ取ったカルテットスターの四人の心象や情景と重なるもの。当時のサクラ達と同様に、それを今こうしてみつきが感じ取っている。この構図の重なりが印象深く感慨深いのです。

一年前のスクールクリーニングマッチでは寮対抗と言いつつも、皆でアイプリを盛り上げるという当時のサクラの思想もあって、融和路線に導いて調和することの意義を描いていましたが、同じお掃除対決でも今年はそれとは真逆で競い合いの果てに見える景色や得られるものがあること。ひまみつとは真逆の相反するじゅえるの関係性を通して、昨年と正反対とも言える意義を描き出していたのが興味深く面白い話でした。

ルームメイトでありながら互いに不干渉でいたじゅりあとえる。その二人がアイプリとしてぶつかり合うことで初めて互いの気持ちに触れ、内心で認め合える仲を構築し始めている。こういう関係性の在り方もあるということで、じゅえるの二人を通してリング編の一つの指針というか方向性。その一端が垣間見えた回でもあったように思えました。

反発し合うじゅえるとの対比構造という意味合いも勿論あったと思いますが、それにしてもいつにも増して人目を憚ることもなく公衆の面前で堂々とイチャついているひまりとみつきの仲睦まじい姿にお腹いっぱい夢いっぱい。つむぎそっちのけ状態で贈られたプリうさぬいとプリねこぬいを事あるごとにくっつけ合うものだからもうね。こんなの実質的に…というものなのです。

今回はみつき側の押しの強さもいつにも増して強烈で、何の疑問も持たずありのままを受け入れるひまりとの蜜月な関係性を改めて突きつけられたような気がします。じゅえるの示した可能性にいち早く気づいたり、主体性を持って行動したり等々。やっぱりリング編はみつきが主軸となって展開されていく話になるのかなとこの辺りを見ても思えたところでもある。

手にしたプリうさとプリねこを通して自分のことそっちのけでイチャつくひまりとみつきを前に、ヤキモチを焼いたり寂しくなって拗ねてしまうつむぎちゃんが可愛いらしく愛おしい。登場当初は感情表現に乏しかったつむぎちゃんが、こういうのは嫌だなモヤってしまったり自分ももっと仲良くしたいと主張してくれる事実が感慨深いのと同時に凄く嬉しく思えてしまう。

上述したひまりとみつき、じゅりあとえるの関係性の中で見えた自分の素直な気持ちを表現すること。アイプリがこの一年を通して描いてきた大切なこと。それをアイプリバースそのものでもあるつむぎちゃんが、自ら体現するようになったというのも見逃せないポイントなのかなと。そう思えた次第です。