アイプリ全体を揺るがしかねない予想外のトンデモな事態!?
好事魔多し。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでアイプリランキングを駆け上がっていた絶好調のチィの身に起きた不可思議な事態。つむぎがプリンセス化を遂げた時期の前後から静かに、しかし水面下で着実に進行していたアイプリに起きている何らかの不具合が、チィの負の感情に触発されるような形で遂に誰の目にも見える程に顕在化してしまった。
チィにとっては中々に辛い展開と言いますか。単純に喜びに浸るだけでは終わらせてくれない。本作で愛されるべきキャラであるからこそ与えられる試練なのかもしれませんね。上げてから落とす。それも面倒見の良いチィにとって可愛い後輩で、自分も仲の良い相手と見ているつむぎとの関係性を再認識した直後に、その相手が自分のなりたい一番星の輝きを体現していて自分は届かないと突きつけられるんだから…。
もう制作サイドもどれだけチィに試練を与えるんだ!という話なのですよ。プリティーシリーズにおいては往々にして物語上この手の役割や立ち位置を求められるキャラはいるんですが、本作においてそれを与えられたのが真実夜チィというアイプリなのかもしれません。個人的にはチィのようなキャラは大好きだし苦労した分だけ報われて欲しいと思っているけど試練の期間はやっぱり辛い。
以前アイプリに起きた不可思議な現象と言えば前回のグランプリでつむぎのライバルになりそうなカルテットスターが、揃いも揃ってアイプリにログインできなくなったことと、ひまりと対戦予定だったみつきがライブ前に強制的にアイプリから締め出されたことで。このことからつむぎの無意識下の何かがアイプリのシステムに影響を与えているのではないかと思っていたのですよ。
ただ、今回を見ているとチィの負の感情を触媒にして最後の殻を破ったと思しき闇チィ(仮呼称)は、つむぎを拘束するような感じで干渉を行っているようにも見えるし、全てがつむぎに利するようなものではなさそうなことも窺えました。ライブ前にチィと会う前につむぎがウトウトしていたこと。そして、チィが心の内に秘めた感情を表に絞り出した瞬間に異変の兆候が表れたこと。
これらのことからやはり「無意識」というのは一つ鍵を握る要素になるのかなと思えたりもしますが、元になったチィの感情とは全く別に完全な一個の存在として自我を感じさせる闇チィの目的や、今アイプリ全体に何が起こってるのかは物凄く気になるところです。予告の時点での不穏さはあったけどここまで一気に問題が顕在化するとは正直思ってませんでした。
プリパラで言うなら一年目終盤でファルルを助けた時の展開を思い出す流れを感じるが、今回に関しては何故こういうことになっているのか未だに不明なところも多いので先がまだ読めないところはあるかなと。一気に話が動き出し一年目の終盤に向けて面白さも増していきそうですし、この事態に際しアイプリ達がどのように行動していくことになるのか要注目です。
とりあえず今回の時点でチィがアイプリの外に出られて無事であること。彼女の闇落ちとかではなく闇チィが完全に独立した別個の存在であることが確定してることは救いか。と言ってもチィの負の感情が発言のキッカケで素体のベースに影響を与えてそうな感じがあるのはアレですが…。
今回の最後はシリアス風味で怒涛の展開でしたが、そうなる前の昇り調子な感じのチィの楽しそうな姿や、アイプリの後輩として何だかんだ世話を焼き大切に思っているつむぎとの仲睦まじい様子が見られたことは個人的にもとても嬉しいところで。つむぎの方も彼女なりにチィに対して親愛の気持ちとお世話になっていることへの感謝の気持ちも持っていて、つむチィのコンビも改めて良い関係性だと思わされるのです。
あんたのことなんか誰も見ていないから好きにやんなさいという彼女なりの緊張を解す鼓舞の言葉の後に、でもチィは見てるわよと言うあたりがね。もう本当チィちゃんズルいな優しいなという気持ちが沸き起こってしまう。二人の馴れ初めと今の間柄をこれだけ見せつけられているだけに。その関係性に端を発したかもしれない今回の騒動がいち早く解決して欲しいと願わずにはいられない。
怪しすぎるが故に逆に怪しくないパターンなのか。それでもやっぱり怪しいのか。ということで前回の次回予告の時点でも少し話題になっていた更科先生の黒幕ムーブも印象に残る一幕でありました。実際今回も見る前までは更科先生がシステムを何か弄ったりチィにメンタル的な攻撃を加えて闇落ちの要因を作り出すんじゃないかと戦々恐々としていたことは内緒。紛らわチィ!
まぁ実際はそんなこと微塵もなくて生徒思いの良いアイプリ部顧問ということなのでしょうが、それでも自分の中で黒幕感が払拭されないのは何故なのか。声が遊佐浩二さんでおっとり穏やかな雰囲気を纏うキャラというのがね。もうそれだけで裏に何らかの感情や含みのあるキャラなんじゃないかと思えてしまうもの。他作品なら本当に黒幕でもおかしくはなさそうな更科先生ですが、本作では最後まで善良な先生のまま駆け抜けてくださいますよう切にお願い申し上げる。