新設されたアイプリ部の部長の座を射止めた者は果たして!?
アイプリ大好きなヴィクトリア学園長の鶴の一声で新設されたアイプリ部。新部長が選出されるに当たっての候補者たちの振る舞いで、各々の特徴や性質に加えアイプリに懸ける思い入れが改めて伝わってくる流れでしたが、その中でも今回は物語開始時からの印象の変化だったりアイプリとして培ってきた経験により各自が得たもの。それらが垣間見えるような回でした。
その中でもやっぱりひまりの成長は目を見張るものがあって。緊張しいで引っ込み思案。やってみたいと思い立つことがあっても、自分にはそんなこと到底無理だとアッサリ諦め引いてしまう。そんな当初のひまりの性質というか弱みになるような部分は今でも全て払拭されたわけではなく、彼女の中に未だ残っている悪癖のようなものでもあるけどアイプリとなって色々な経験をしてきたひまりはそれだけでは終わらない。
一度は諦めようとしたしサクラに促されたところもあったかもしれない。でも、友達でライバルでもあるみつきやチィの熱い思いに触れ、アイプリへの大切な思い入れと勇気を出して一歩踏み出したことで初めて体感した感情。自分が感じた熱さと楽しさを皆にも知ってもらうべく、自分の意思で発信しようと立ち上がり教壇へ歩み出したところにlアイプリになってからのひまりの軌跡と成長を感じた次第です。
ひみつのおまじないがなければ何も出来なかった。勇気を振り絞って立ち向かうことも出来なかったひまりではもうないのである。アイプリ部の部長になるにあたって自分はアイプリと出会ってこんなにも楽しいことがあって変わったのだと。それが自分を奮い立たせ心から熱くなれる魅力的なものなのだと。それを身をもって知っているひまりだから訴えかけられるものがあるし伝えられることがある。
アイプリに懸ける熱い思い。それを通して味わった楽しさと自らに生じた変化。それが自分自身を育み充実させてくれるものだと。何よりひまり自身の中でそれを昇華させ自負を抱くことが出来たからこそ、周りに自分の意思をこういう形で発信できるのだと思うし、自分自身の成長を自分で認めることが出来たからこそ、今まで親しい人にしか明かさなかったアイプリのひまりの正体を、周りに打ち明けることも出来たのだと。
一年の計は元旦にあり。作中では元旦は過ぎているかもしれないんだけど、ひまりがパラダイス学園に入学してアイプリデビューを果たしてから今まで成し遂げてきたものと自ら得てきたものを、自己の中で今一度見つめ直した上で、アイプリ部の部長として新たに立つにあたって、それを踏まえた上で何をやっていきたいのかを表明する。一年の始まりに相応しいエピソードだったと思います。
ひまりのソロニ曲目となる新曲『パステルステップデイズ』も初お披露目!ぴょんぴょんウサギコーデを身に纏い、まさに本編で表明した意思そのままにこれからの飛躍を予感させるステージ。アイプリとしてこれまで出会った人や物事に対する感謝の気持ち。そして、これから自分がアイプリとして、アイプリ部の部長として何をしていきたいのか。その思いを込められた新曲に仕上がっていたと思います。
新部長就任のお祝いではないですが本編の流れを受けての新曲投入でしたし、ひまりの感情や軌跡が集約されているのを感じられるのもあって、本作で今まで登場してきた楽曲の中でも印象深いものとして刻まれました。ステージ慣れではないけどコーデはウサギを模したものなのに、若干あざとい感じで猫の手ポーズみたいなのを取り込んでいるあたりに彼女の確かな成長を感じた次第です。
公衆の面前でひみつのおまじないを堂々と行ったのとは裏腹に、堅すぎる自分の所信表明に対する周囲の反応を見て咄嗟にあざと可愛い仕草を披露して照れ、かと思えば自らのアイプリに対する熱い思いを大量の原稿用紙を用いて余すところなく表現する。そんな星川みつきさんの斜め上のセンスというか若干ズレたところ。ともすれば重いところを随所に垣間見ることが出来て個人的にはとても嬉しい。主要キャラの中では一番の常識人ポジションでもあるはずなんだけど、ふとした瞬間にこういう一面を見せてくれるのもまた魅力的。
あと、ひまりが話の流れで自分がデュオを組んでいるアイプリみつきが、他でもない親友のみつきであることをもらい事故のような形で皆に明かした時のアイプリブレスの見せ方がですね。なんかひまりはブレスを見せるポーズなんだけどみつきは結婚指輪を見せる時のそれな感じが出ていて流石はみつきちゃんだなと。うむ、こういうところなんですよ。
あと今回個人的にお気に入りのシーンがアイスマイリンの選挙工作みたいなところで。新部長候補として名乗りを上げつつも、不正な買収を行ったアイリ然り。パートナーとの時間が減るのを嫌ったが為に、相方を妨害する目的で動き回っていたリンリン然り。そんなアイスマイリンの二人の動きが面白くてツボに入りました。
たこ焼きで買収を図ったアイリは倫理的にもルール的にもアウトなところがあるので失格処分も妥当ですが、リンリンの方は自分が部長になることが目的ではなくアイリの当選を阻むことが主目的になってたので。ひまりに対するみつきのそれと同じく、アイリに対するリンリンのそれも中々に重いところがあるなと。それがまた良いのだ。年明け早々から飛ばしている二人の感情の振れ幅にも個人的に要注目!