シークレットフレンズの物語がここから始まる。
一学期の終わりと当時に告げられたアイプリとしてのひまりに与えられた卒業試験。生徒会メンバーのプロデュースから独り立ちをする趣旨の内容でしたが、同時にひまりがみつきとつむぎと共に結成した新チーム『シークレットフレンズ』の本当の意味での始まりを告げる回でもありましたね。今回はある事象や物事について固有の名前を付けることの意義を改めて考えさせられる回でもあった。
ひまり達にとってのチーム名に関しても、漠然としたものよりも三人の名前の頭文字から一文字ずつ取り、それを少し捻った形にすることで、三人の中に自然と連帯感も生まれるし、チーム名に愛着が湧くことで更に感情移入して入れ込むことにも繋がっていく。それは当人である彼女らだけに留まらず、アイプリを応援してくれるファンやライバルにしても同じことであり、名前に込められた意味はそれ程までに大きなものがある。
また、同時に名前とは独立した一個の存在であることを強く刻みつけるものでもある。固有の名前があるからこそ人は他のものとは異なる独立した個を意識することになるし、自己と他者を区別し判別する線引きにも繋がっていく。人間も固有の名前を与えられるからこそ自我が芽生え、愛着や執着のような感情を抱くし、名前を与えられることで独り立ちへの最初の一歩を。全ての始まりを得るのではないかと。
固有の名を持たない人や物事は漠然としていて捉えどころが難しい。焦点がブレると言いますか。他者への訴求力に欠ける側面もある。それ故に生徒会主導のひまりのアイプリ活動が、これからセルフプロデュースを求められる転機を迎えるに際し、活動の軸となっていく三人のチーム名を決めることに大きな意味があるのではないだろうか。
名前を決めることが独り立ちへの第一歩!アイプリとしては駆け出しで、導かれるままにここまで来たひまりが共に夢を叶える仲間を得て、対等に競い合うライバルとして歩きだしていく。独り立ちの最初の一歩が自分たちの意思で決めたチーム名であり、それを得たことでシークレットフレンズとしての物語がここから始まっていく。
他の誰でもない自分たちで方向性を決めていく道のり。ひまり達が築き上げていく独自のアイプリ像が、どんなものになっていくのか。非常に楽しみなのです。
毅然としていて隙がないようで推しにはとことん甘くなるサクラさんが素敵。アイプリとしてのみつきが好きであることは、以前の回でも触れられていたような気がしますが、お互いに正体を知って秘密が秘密でなくなった今となっては、押し込めていた感情を無理に抑えつけなくてもいいということで。それでも、みつきの提言を無条件で受け入れる。その入れ込みっぷりは想像していた以上に半端なものではなかった。
これからは推しアイプリであるのと同時に自分たちと対等に競い合っていくライバルでもある。でも、キリッとしたところだけでなく、デレデレになってしまう人間味に溢れる姿が、サクラをより魅力的なキャラクター像に押し上げるところもあると思うので。これからも程よくみつきに甘いサクラさんのままでいて欲しい。