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ワッチャプリマジ! 第44話 「みるきぃどり~む♡めしあがれ(ぺこり)」 感想

ワッチャプリマジ! 第44話 「みるきぃどり~む♡めしあがれ(ぺこり)」 感想

自分の為の可愛さを大切にして心躍るプリマジを!

甘瓜みるきのヘブンズ化にあたりエレメンツ・ルークスから与えられた試練。というよりルークスの個人的な解釈が多分に含まれた選択肢は、大衆に求められ定められた筋書きへ迎合するか否か。それとも例え他の誰に何と言われようと自分の心踊る理想の可愛い姿を追い求め体現することが出来るか否かというものでしたが、みるきにとっての可愛さが何かを見定め今までより更に先を行く覚悟を見せてくれたことが良いね。

第20話のみるきあざとい裁判で描かれたように、プリマジスタ甘瓜みるきの根源には大衆に求められる姿へ対する意識というものが横たわっている。訳あり品の野菜と同じく素朴で地味目な見た目からクラスの中心からは外れ見向きもされないところに、可愛さという魔法を纏うことで皆の注目を集めることが、みるきの根源にあるものでありプリマジスタ甘瓜みるきの始まりでもある。

その経緯と下地があるからこそ今回のルークスの提案は、みるきの根本的な部分を揺さぶるものであるし、今までのプリマジで培い彼女の中で生じた変化や成長と、今後の彼女自身のプリマジに対するスタンスを見出す問いかけにもなる。今一度ルークスの求めに応じて黒髪に戻すということは、周囲に求められる自分を追求するという以前までと変化していない自分を象徴することに他ならない。

だから、みるきが他の誰かの注目や周りに求められるかどうかではなく、自分の中にある可愛さは自分だけのものだと確信し、自分が本当に心躍る姿を求めていこうとする様は、姿こそ同じでも内面的には今までと全く異なる彼女の変化と成長を示すものになる。何よりみるきがそう思えたのはプリマジスタとして活動し、仲間やライバルと様々な体験をする中で、プリマジと可愛いがもたらす力を感じればこそのものなのだ。

始まりは求められる姿の追求。他の人の注目を集め応じる。いわば筋書きのあるエンターテイメントでしたが、そこからプリマジを通して成長していく中で、他の誰かがどうこうではなく自分自身の心躍る姿を大切にし、周りがどうであろうと自分の在り方を貫くことで存在感を示していく。確固たる個の確立でありみるきがまつりに常々言っていた主人公属性が、他でもない彼女自身にも宿ったことの証左なのではないだろうか。

プリマジスタとしての甘瓜みるきの変化と成長を感じられたのも嬉しかったが、その成長に序盤から一貫して良い感情を持っていなかったまつりが深く関わっているのも良いなと思えたし、それを踏まえみるき側のまつりに対する心象の変化に繋げる見せ方も上手かった。

その上で誰にも見向きもされず主役になれなかった祈瑠の心を、似た境遇を持つみるきのプリマジで動かしたことで、今回のみるきの選択は間違っていなかったのだと。それで心動かされる人が確かにいるのだと、主人公属性を持たないみるきでも自分の心に素直に準じ心がワチャワチャすることに邁進することで、主人公と同じかそれ以上に光輝き誰かの心を照らせるのだと思えたのも収穫でした。

自分の為の可愛さを発揮することで今まで以上に人を惹き付ける!プリマジスタ甘瓜みるきの更に一歩進んだ姿を拝めて感無量な回でした。しかし、途中までルークスはみるきが何を言われても自分を貫けるか試してるのかなとも思ったけど、本当に自分の解釈を押し付ける唯我独尊エレメンツさんだったのも面白かった。そのルークスの心をメロメロンにしたみるきの可愛さは、やはり本物なのだということで。

かつて同じように周りに見向きもされず主役にもなれず目立たなかった甘瓜みるきのプリマジを見たことで、同様に周りに見向きもされず期待されず主役になることを諦めてた祈瑠の心が動かされる展開は、本当に良かったなと思うところです。この回の為に今までの祈瑠ムーブがあったのではと思える程にね。みるきの成長と選択の正しさを示す意味でも大きな役回りにいたのではないかと思う。

ひゅーいはともかく橙真に対してはデレ始めてくれましたしね。オープニングで三人同時に映ってるカットもありましたし、これもしかしたらトリオデビューもワンチャンあるかもしれないですな。祈瑠の変化が意気消沈して療養してる御芽河阿智彦の心に変化を与える鍵になるかもしれないしね。今後の祈瑠の動向にも引き続き注目していきたい。

まつりに対して少しデレてくれたみるき萌え。やっぱりみるきにとってどうあっても意識や視界に入れざるを得ない主人公属性を備えた人物なので。内心では事あるごとに嫌いとか苦手とか合わないと散々言っていたわけだが、そのまつりこそがみるきの成長と変化に一役買っているという事実も、皮肉が効いている感じがして良いなと感じるところです。

プリマジスタとして関わった人、活動する中で体験した様々な出来事が、今の自分を形作り自分の可愛さが確固たるものであると確信させてくれた。まつりに対するみるきの反応も、それをみるき自身が認めたことの表れなのかなと思える。