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ワッチャプリマジ! 第22話 「緊急特番ご覧アーレイ!」 感想

ワッチャプリマジ! 第22話 「緊急特番ご覧アーレイ!」 感想

伝えたい思いを込めたプリマジが奇跡を起こす。

あなたのベストプリマジを振り返るという趣旨の緊急特番『教えてテンガロンハット』という体裁で進行した今回のお話。予告の時点でも半総集編になるのかなと思っていて実質半分くらいは各プリマジスタのライブを振り返る形でしたが、同時に合宿編の総決算と言うべき内容にも仕上がっており、各々の成長した姿や一面を垣間見ることが出来た回でもありました。

合宿前、いや合宿当初も見受けられた姿ですが、打倒ジェニファーの志し自分を追い込むことにしか興味を持てず、周りを見る余裕というか周りを気にかける姿勢に欠けているところがあったひなは、みるきを筆頭に今まで見ていなかった相手の一面を見る視野の広さを持つに至っていた。衝突を極力避けるべく相手の顔色を伺い自分を出さなかったれもんは、険悪になりかけた空気の中で自己を主張する強さを身に着けた。

秘するが花を体現し、自分の本当の気持ちや心の中にある思いを表に出そうとしなかったあまねは、自分の心に秘めた心情を素直に吐露し、伝えたい思いを込めたプリマジが起こす奇跡を説くまでになった。自分を推す一方で格上であるジェニファーの実力を真っ当に評価し、その上で待望のセンターを辞退しようとしたみるきも、葛藤を乗り越え皆の言う奇跡に賭けて心を奮い立たせ挑もうとする姿勢を見せてくれた。

フレフェスの時のことを思うと、有力候補のひなとの直接対決は避け、まつりやれもんと異なり地区優勝ではなくポイントの累積による勝ち抜けを狙うなど、みるきは自分の人気や実力を正確に測った上で勝ち筋を見出すタイプというのは、合宿前に描かれていた彼女のやり方というか特性でもあったと思うのだが、そういう計略を周りに明かし、それでも勝ち筋を見出だせないから悔しい気持ちを押し殺して諦めようとする忸怩たる思いを見せてくれていた。

合宿前のみるきならこういう自分の姿を周りに表立っては見せようとしなかったはずだし、そういうみるきの特質を寝食を共にした仲間でライバルでもある皆だから理解してあげられるのだと思う。合宿を通して見えた各人の成長や変化、周囲に対する理解の深まりというのが色々な形で示されていて、合宿終了を前にその前後でどう変わったのかが分かる緊急特番でした。

そして、主人公のまつりは停滞しかけた現状を打破する起爆剤にしてジョーカー、ムードメーカー的な役回りを担うことになり、物語の牽引役として既存の概念を打ち破るような奔放さを発揮して皆を引っ張っていってくれている。五人全員がセンターという彼女の突飛な思いつきを、どのような形で活かしジェニファーにも負けないようなステージとして仕上げ昇華してくるのか。

願わくば一度は全員でみるきをセンターにという意向で纏まっただけに、そこら辺の各人の思いを汲み取る形でプリマジステージに生かしてくれたらいいなと思うのです。長かった合宿編も終わりが見え、その成果を発揮するエキシビションの舞台が刻一刻と近づいている今、一人で全てを圧倒するジェニファーに切磋琢磨して積み重ねてきた五人が如何にして対抗するのか。

圧倒的な個だけは成立し得ない。研鑽やぶつかり合いの中でこそ生まれる熱量や輝きもあるということを見せつけるステージを期待したい!