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ミュークルドリーミー 第43話 「先輩たちにチアっちゃお!」 感想

ミュークルドリーミー 第43話 「先輩たちにチアっちゃお!」 感想

かえでともみじの心温まる姉妹エピソード!

テンパっても自慢のお姉ちゃん!かえでともみじの姉妹関係が素敵!

かえての姉・もみじのテンパり具合とブラックアビスを埋め込まれてからの暴走っぷりが激しかったので、今回は騒々しいカオス回に振り切るのかと思っていたのに、最後にはしっかりと心温まる姉妹エピソードとして仕上げてくるから侮れない。心が弱ったり自信を失ったときに支えとなってくれるのは、やはり身近にいる親しき人物という点を改めて打ち出してきたのも印象深い。

それが親や兄弟姉妹、幼馴染や親友、はたまた恋人かは人によって異なるだろうが、このタイミングで妹にとって自慢のお姉ちゃんを思う気持ちを姉が受け取り、勇気づけられる話を展開すること自体が、杉山兄弟にとっての一種のアンチテーゼとして作用してるのも見逃せないところ。姉を思う妹の気持ちが救いとなり、妹の存在自体が支えとなることもあれば、その逆もまた然りということだ。

特にここ数話の内容はともすれば杉山先輩に対するメッセージや、今の彼が光を見出すために必要なことは何かを訴えかける側面を伴っていた回も多かったが、それらを積み重ねた上での満を持してのアッキー帰国という爆弾投下のタイミングも絶妙だと思います。一人っ子であるが故に姉妹の存在を羨んでいたゆめがいましたが、それが重荷や枷になることもある。

このキャラの配置や関係性、各キャラが何気なく発している台詞も全てが杉山兄弟のエピソードに集約されていく感じがあり、全体構成とか各キャラの相関性の妙を改めて感じました。ともあれ今回単体では本当に素敵な姉妹エピソードであり、普段は中々面と向かって伝えられない心に秘した姉を思う妹の気持ちを、夢という形で伝えるというユメシンクロの使い方も光っていた回でした。こういうのに弱いんだよな~。

受験だけが全てではない!自分が幸せを感じられる各々の生き方!

奇しくも杉山先輩自身が発した「受験だけが全てじゃない」という台詞。そう、エリート街道を爆進することだけが人の幸せではないし、何を持って充足感や幸福を感じるかは人それぞれによって異なる。その実例が今回各キャラを通して様々な形で示されていたようにも映りました。

例えば朝陽に振られ失恋し一度は失意に落ち込んだ森村さんも、今は杉山ファンクラ部員として充実した日々を送っているし、オチ要員として使われた衿人くんにしても、名門クレバー高校に落ちたことで結果的に愛しのことこ先輩と同じ高校に通えるという幸運に恵まれることになった。ストレートに物事が進み自分の願望が叶うことだけが幸せではないという好例なのだろう。

有り余る才能を持つことこ先輩にしても名門校へ行くことが自身の幸せではなく、皆と一緒に過ごせる時間や本当に自分が好きなことを出来る環境を求めており、そこに生き甲斐や充実感を見出している。それも高スペックなことこ先輩だから言えることかもしれないが、要は考え方や捉え方次第で人生はいつだって面白おかしく満ち足りたものになり得るということが肝要なんじゃないかと。

その最たる例がみゅーちゃんであり、「みゅーは出来ることしか出来ないみゃ。でも、とても楽しくやってるみゃ」という台詞が全てなのだろう。それは勿論パートナーであるゆめちゃんや皆の存在があっての楽しさなのだろうが、杉山先輩にだって百合先輩やゆに様たちがいるのです。誰かとの比較ではなく自分が楽しく思える生き甲斐のようなもの。それを見つけられれば杉山先輩も弟に縛られなくなると。そう思えた諸々の描写でした。