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ミュークルドリーミー 第19話 「お誕生日ゆめちゃん合宿中」 感想

ミュークルドリーミー 第19話 「お誕生日ゆめちゃん合宿中」 感想

13歳になったゆめちゃんは悩めるお年頃。

気持ちが揺れる誕生日!ゆめと朝陽と森村さんの恋模様の行方は…

誕生日を迎えて大人の階段を一歩登るではないですが、兄弟のように親しいただの幼馴染だと思っていた朝陽に、森村さんが本気で好意を寄せている現実を突きつけられ、ガチ告白という爆弾を目の前で投下されることにより、否応なしに関係性や認識の変化を強いられて、胸中を掻き乱されつつも自分の気持ちを自覚しきれないゆめの姿を見るのが切なく、同時にそのもどかしさが見応えを生んでいて悩ましい!

「ただの幼馴染」というフィルターにより、自分の本当の気持ちに蓋がされててまだ気が付けないゆめがいて、森村さんからの告白に対しどちらとも取れる返事を返し断れたと思っている朝陽がいて、朝陽のそれを自分にとって都合のいい方に解釈してしまい、すっかりその気になってしまっている森村さんがいる。三者三様に絶妙に食い違う恋愛感情のこじれっぷりが最高すぎるのです。

夏休み期間中の誕生日で例年だと友達になかなか祝ってもらえない誕生日。故に寝食をともにする合宿中の誕生日は、楽しさ溢れる誕生日エピソード!とはならいなところがミュークルクオリティ。幸せいっぱい夢いっぱいな夢見心地な空気が一転、ドロドロのドロな三角関係の幕開けのようになってしまっているのもご愛嬌。楽しさだけでなく、時にもがき苦しみ失敗しつつ悩みながら人は大人になっていくものだ。

そういう意味で節目となる誕生日エピソードに、中学生の甘酸っぱくもどかしい恋愛事情のもつれ具合を描写したのも有りよりの有りなのかもしれません。気になるあの人の言動に一喜一憂し、勘違いしたり衝突しながら心身ともに成熟していく。多感な少年少女たちにとって、これらの経験は必須のものだと思うし、むしろ健全なものとも言えるのではないだろうか。

年間放送作品でも諸事情でなかなか男女の真っ当な恋愛を描くのが難しい昨今。その中にあってミュークルの丁寧な積み重ねは個人的にはとても貴重で有り難いものだし、今後も賑やかで楽しい基本路線の中で一種のスパイス的な要素として、ゆめと朝陽の関係性とその変遷をじっくりと見せていってもらいたい。

ほんのちょっぴりモヤっとしたものを感じながらも友達に誕生日を祝って貰えた我らがゆめちゃん。杉山先輩を含めたら三角どころか四角五角な複雑な関係にもなりかねないところですが、ともあれ13歳になった中学生活がますます楽しく幸せに満ちた日々になりますよう。改めてゆめちゃん誕生日おめでとう!これから良いこと絶対あるよ!

まさかのドリームパートナー候補!?朝陽の立ち位置の変化にも注目!

ゆめに用意した誕生日プレゼントを渡せず、森ちゃん相手にハッキリ断りきれずと視聴者を良くも悪くもやきもきさせてくれた朝陽でしたが、諸々の恋愛模様のキーパーソンという位置づけとは別に、ドリームパートナーとしての役回りの可能性まで用意されていて正直驚きました。今後本当にドリーミーメイトに纏わるあれこれにまで関わるとなると、本作における彼の位置づけがかなり変わってくることにもなり得る。

ただでさえゆめと朝陽の間には森村さんにはない特別な関係性や近さがあるというのにね。幼馴染、ドリーミーメイトとしての秘密の共有、ゆめの為に用意しつつ渡せなかった誕生日プレゼント等々。これらの要素見るだけでも今後ますますこじれる予感しかしないもの。今の状況だとドリーミーメイトの秘密を知ることが、そのまま三角関係を更に掻き乱す劇薬にもなりかねない。

この匙加減というか話の持っていきかたも絶妙だなと思わされる。果たして南川朝陽は本作初の男性ドリームパートナーとなるのか。いろいろな意味で興味深いし先の展開がより楽しみになってきた。ときわちゃんを差し置いてエンディングでCG朝陽くんが最初期から一緒にいた本当の理由を理解してしまったゾ。

夢が正夢に?ゆめが見た夢が現実に影響を与える可能性

ゆめが夢で見た朝陽に対する森村さんの告白。奇しくもそれは現実のものとなり、まさに夢が正夢になってしまった瞬間でしたが、果たしてあれは一般的な意味で言うところの正夢だったのだろうか。みゅーちゃんがゆめと同じ夢を見ていたというのも気になるところですが、それ以上に思い起こされるのは狂気とカオスに満ちたプチトマトマン回の内容。

前々回の感想でもチラッと触れたけど、一見ネタ要素満載のぶっ飛び回の中で、あくまでゆめの夢の中の存在だったはずのプチトマトマンが現実世界に召喚されたという前例があるので、それを踏まえると今回の一連の告白という夢が正夢になった流れも、夢と現実の境界が曖昧になる一例だったのでは?と見ることも出来るのではないかと。

ユメシンクロを使えるのはゆめだけというのも、そこに起因する何かがあるからではないか等々。色々と妄想が広がる余地があって楽しい。ゆめの夢に纏わるあれこれを晴らす存在が朝陽とかだと、キャラクター名もよりハマるというかよく考えられてるなぁと思ったりするのだが…。いずれにせよこの夢と現実の境界という観点を、より強く念頭に置きながら今後のお話を見守っていきたい。