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ひろがるスカイ!プリキュア 第7話 「ドキドキ!転校生はヒーローガール!!」 感想

ひろがるスカイ!プリキュア 第7話 「ドキドキ!転校生はヒーローガール!!」 感想

ヒーローガール・ソラちゃんの学校生活の始まりだ!

シリーズ恒例とも言える転校エピソードでしたが、異世界スカイランド出身であり独自のヒーロー道を歩むソラの特性が発揮され、彼女の本質的な部分が垣間見える印象的な回でした。他人とは違うこと。普通でないことは時に排斥されてしまう要因にもなり得るし、周りと馴染むことを阻害しかねないズレを見せることをソラが恐れてしまうのも無理からぬこと。

前々回の話でソラの生い立ちが描かれた際にも、同年代の子たちとの交流を断ってでも理想のヒーロー像を体現すべく邁進するソラがいましたが、自分が他の子と少し違っていること。ヒーローで在ろうとする姿勢や、自らの掲げる信条が周囲の者とは馴染みにくく、また理解を得にくいものであることを、他でもないソラ自身が誰よりも実感しているところは確実にあるだろう。

そういう経緯もあって目立たないように振る舞おうとするソラの判断もわかるし、それでもなお本音や秀でた身体能力が出てしまうソラのうっかりも愛おしく映る。本当はこうしたいと思うことを無理に抑え込んだり、やりたいと思っていることを意図してやらないように務めることは、想像以上に心に負担がかかるし何よりどこまでも真っ直ぐなソラの気質が、それを良しとはしてくれない。

そこをソラの最初の理解者にして初めての友達であるましろが諭し、素の自分を出すことが大事なんだと優しく導いてくれるのが良いよね。皆と友達になりたい思いから自分を抑えようとしたソラだけど、肩の力を抜いて自然体でいてもいいのだと。そうすることで周りと打ち解けられたましろがいて、その彼女が自分を横で支え後押ししてくれることが、ソラにいい意味で力を抜く為の勇気を与えてくれる。この相関性が堪らない。

ヒーローになるために続けていた特訓。ヒーローとして在るべく気を張り詰めていた日々。違う世界の同世代の子の中に飛び込む不安もさることながら、ソラがヒーローとして自らに課していた重圧というか。体に染み付いた義務感とか己を律するために自分を抑圧する精神性。そういったものからの解放を含めて自然体でいてもいいのだとソラ自身が思えたことが何よりも大きかったなと。

案ずるより産むが易し。時期的に新生活への不安とか新しいコミュニティで上手くやっていけるのかという漠然とした気持ちを感じる人も多いと思うが、気を張り詰めすぎることなく勇気を出して自分を出してみる。この時期にピッタリなメッセージ性も内包していたかな。

何より嘘をつけずポロッと本音が出たり咄嗟の行動で人助けする為に全力を出したり。どこまでも真っ直ぐなソラの姿が心地よく清々しさを感じさせてくれて視聴者の心も澄み切ってしまう。心が晴れ渡るような転校回でした。

思わず本音が出たり本気を出したりしてアワアワしているソラちゃん可愛い。それでも異世界出身キュアとしては転校の挨拶も至極真っ当なものでしたし、奇行に走って周囲をザワつかせるようなこともなかったので。ソラが良識的で心根の優しい真っ直ぐな子であることが改めて示されていた。クラスメイトもいい人揃いで優しい世界で本当に良かったよ。

制服を着てそわそわ浮足立つソラちゃん本当に可愛らしい。基本線としてヒーローとしての格好良さや勇ましさ、揺るぎない芯の強さを持っているソラなんだけど、回を経て気を許せる人も増えて自然体でいることが多くなるに連れて年相応の女の子としての一面が浮かび上がってきて良い。

今は同い年のましろを始め同級生との交流が主ですが、今後見た目は年下な次回出てくるあの子や、年上のあげはが本格的に物語の中核に関わってくるのに合わせてソラの色々な一面が更に引き出されていくと良いな。