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ヒーリングっど♥プリキュア 第33話 「思い出の再会!過去のわたしの贈りもの」 感想

ヒーリングっど♥プリキュア 第33話 「思い出の再会!過去のわたしの贈りもの」 感想

プリキュアもお医者様も最後まで諦めない!

己の無力さと向き合い乗り越えて前に進むのどかと蜂須賀先生

のどかの恩人でもある元担当医の蜂須賀先生との対面により、転職を決意した蜂須賀先生だけでなくのどかも自らの弱さや無力感に苛まれた過去に一区切りを付け、双方が前に進むキッカケを得るエピソード。原因不明の病に苦しむのどかを見て現代医学の限界を感じ、無力感に絶望しかけた蜂須賀先生だったけど、その彼を救うキッカケをくれたのもまたのどかでした。

その先生に前へ進む為の勇気と希望をくれたのがのどかであることを、彼女自身が知るということが今回一番重要なことだったのではないかとも思います。これまでも度々その傾向は見受けられたけど、闘病生活時に周りに迷惑をかけるだけで何も出来ない、誰の力にもなれず助けられてばかりの自分の無力さに落ち込み、卑下していたのは他でもないのどか自身。

医者と患者。救う側と救われる側で一方的な関係にあるかと思いきや実のところそうではない。のどかと蜂須賀先生は形は違えど同じ共通項に悩まされ足を止めてしまった者同士でもあり、相関性があるが故に互いの存在が与える影響は計り知れないほど大きくなる。無力だと思っていた自分が相手にとって勇気や希望となり、前に進む為の力を与えていたと知ることで先に進むことが出来るのだ。

のどかの病の原因はビョーゲンズだったが、世界には今も他の原因不明の難病に苦しめられている人が沢山いる。そんな人たちを救うための研究をする機関への蜂須賀先生の転職。その後押しとなれることは、ひいてはのどかが自分と同じく病に苦しむ人を救う力になれていたことを意味する。少し大袈裟かもしれないけど無力さに苛まれていた自分が誰かの力になれていた事実。

それは過去との決別というか弱かった自分に区切りを付け、前に進むための推進力になり得る大きなことだと思います。命の危機に晒された子供にとって戦う為の希望と勇気を、救う為の活力と救いをもたらす医師はまさに神にも等しい存在に映ってもおかしくないと思いますが、そんな人にも自分と同じ悩みがあり、そしてその人が歩みを進める力になれていたということは、これまでの価値観が覆るほどの衝撃もあったと思います。

決して無力でも助けられてばかりでもない。大切な誰かの為の力になり、救いとなれることに実感を持てたのどかは、これでようやく前に進めるのだと思います。その生い立ちからものどかの進路と言うか将来は医療関係の道に進むのかなと漠然と思っていましたが、蜂須賀先生との再会を機に自らの弱さや無力さと向き合い過去を払拭し、今後に向けての指針を上手い形で示していたかなと思います。

どらだけ辛く弱さや無力さに打ちのめされそうになろうとも、プリキュアもお医者様も持てる力の限りを尽くし最後の最後まで諦めることなく立ち向かっていくのです。立場は違えど境遇は同じ。互いにとっての「恩人」が未来への希望に繋がる良エピソードでした。

自分のために強制進化を遂げるダルイゼンの行く末は

のどかと蜂須賀先生が似た境遇にある相関性を持つ間柄ならば、のどかとダルイゼンは相反する境遇にある対照性を持つ間柄である。支え合い助け合う精神を尊び大切な誰かを救う為の力になりたいのどかがいるならば、キングビョーゲンの為ではなくあくまで自分の為と称してメガパーツを体内に取り込み、自分のことだけ考えている方が幸せだと言い切るダルイゼンがいる。

己の弱さと無力さという過去から繋がる縛りを断ち切ったのどかと、更に独自の進化を遂げていくダルイゼン。より対照的かつ先鋭的に変わってきた二人の変化により、その関係性もこれまでとは違ったものに形を変えていくことになるのだろう。その起源も起源なだけに切っても切れない間柄にある二人のぶつかり合い。その果てにどんな結末が待ち受けているのか。やはり楽しみは尽きないのだ。のどかの救済対象にダルイゼンくんが入ることは…果たしてあるのだろうか。