みんなそれぞれ違うから良いんだよ。
自分と違う相手がいることで自分の世界も更に広がる
一般的な友達付き合いという観点から見ても確かに自分と趣味嗜好や考え方が似通っている人と一緒にいるほうが楽だし居心地がいいことは多い。反りが合わない人と無理に一緒にいたり何かを成そうとしても心が擦り切れて摩耗し要らぬ軋轢を生むこともままあるもの。子供の時分なんて特にそれが顕著に出るし、今回の孝太少年や秀一少年のようにお互いの違いが発端で喧嘩になることもあるものだ。
でも、自分と合う人だけとの付き合いでは発展性や進歩がないのも事実。自分と似た人と一緒にいるのは居心地がいいかもしれないが、それって突き詰めれば閉じた世界に籠もることと同義にもなりかねない。自分と違うから意外性があり、自分と違うから回り回って自分のことを客観的に捉えることも出来るし、自分にない感性が自分でも気づかなかった己の内に眠る可能性を引き出してくれることもある。
周りが常に画一的で予定調和では面白味に欠けてしまうし、自分でも予想だにしない思わぬ刺激があるから人生は面白おかしく華やかに彩られる。本作ヒープリにおいてはのどか、ちゆ、ひなたの三人が知り合いとなった当初、自分とは違うタイプで反りが合わないが故に、ちゆとひなたの間に生じたチグハグさやギクシャクした様子を描いていた水族館でのエピソードを前提に、そこから親交を深めてそれぞれに可能性を拡張し、自分が心地いいだけの世界にいては味わえない楽しさを体現している今の姿でもって、自分とは違う人との触れ合いの重要性に説得力をもたせていた。
種族も嗜好も適応環境も異なる。多種多様な動物で溢れる動物園において、自分とは異なる価値観や得手不得手を持つものとの交流の大切さを感じられるエピソードだったかなと思います。そこへ行くとキングビョーゲン様に構ってもらいたい一心で、都合の良い妄想の自分の世界に浸り自らの都合のみで邁進していたシンドイーネさんは、プリキュア側とは真逆の進化を遂げていたと言えるだろうか。
ともあれ一般人の円山親子を巻き込んでのインパクトのある引き。自らにメガパーツを投与して強制的に強化されたシンドイーネさんが何を見せてくれるのか。期待しながら次回を待ちたいと思う…って先が気になる良い幕引きだったのに来週駅伝がある為にここで一週お休みしてお預けなんてあんまりすぎるぜぃ!
全てはキングビョーゲンに褒められたい一心からのシンドイーネ強化
愛しのキングビョーゲン様に褒めてもらいたい、構ってもらいたい一心で、自らの身を危険に晒すことも厭わないシンドイーネさんは、ある意味で健気で可愛らしいのだが、前例のないメガパーツの自身への投与が自分の身と周りに如何なる影響を及ぼすことになるのか。投与直後の反応から理性を失うほどに暴走して崩壊するのではと危惧していたので、とりあえず元気そうで何より。
メガパーツを用いたメガビョーゲンの強化、テラビョーゲンへの進化はこれまでの実験である程度の前例が出来つつあったけど、既にテラビョーゲンである幹部クラスへの投与は当然これが初めての事態なので、何が起こるのか予測不能な未知の領域に踏み込んだと言ってもいい。人為的な急速な進化、自然の摂理に反する行いは必ず反動や歪を生じさせる要因になりそうなものだが…。
ビジュアル的にも大きくは変わらず可愛さは残しつつも力の増したシンドイーネさんの活躍にも注目したいです。最後に孝太少年を用いた新しい実験をやろうとしてたけど、今回の話の流れもあってどうしてもおねショタ案件にしか見えなかったことは内緒。孝太くん的にお父さんは大変なことになってしまったが、プリキュアのお姉ちゃん四人も独り占めだったし、やはり立ち位置的には美味しいと言わざるを得ない。