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ヒーリングっど♥プリキュア 第27話 「気球よ飛んで!アスミとラテの熱い想い」 感想

ヒーリングっど♥プリキュア 第27話 「気球よ飛んで!アスミとラテの熱い想い」 感想

風を読む少女アスミン。

悔しさや自分の弱さから目を背けず向き合うことで人は成長していく

人として歩んできたこれまでの日々の中で「好き」という気持ちを学んだ今のアスミだからこそ、自分の好きな物事で遅れを取った時にモヤモヤした感情が生じるし、それを邪魔されたときにはイライラした気持ちが生じることもある。好きの先に生じる負の感情もまた人間として持ち合わせて然るべき当然の感情であり、それを備えるからこそ人は人足り得るもの。

思うに好きは人間のあらゆる感情に直結する根源的な気持ちではないかと思うわけです。好きだからこそ否定されることは怖いし、そこに起因する自分の弱さを直視することも恐ろしい。好きなことが上手くいかず失敗し続け他の誰かの好きに遅れを取ることは悔しい。しかし、悔しさから目を背け自分の弱さを見ようとせず立ち止まっていては八方塞がりで何も変わることはない。

好きだから辛いことや苦しいことがあってもやめられないものです。だからこそ向き合うことが重要なんじゃないかなと思うわけです。悔しさを受け止め己の弱さを自覚して人は初めて変われるし前に進める。その上でそれらを乗り越えた時に、人は大きな成長を遂げ好きな物事をもっと好きになれるのではないかと。アスミの精神性や内面性の獲得と人が人たる感情と成長を上手く結びつけて描いていたかな。

気球を操縦していた青年カズに対する疑問の投げかけも、普通であれば中々言い出しにくいことだったかもしれないが、感情が芽生えたばかりのアスミだったからこそ可能な問いかけだったかもしれませんね。風の流れは読めるけどまだまだ空気は読めないアスミだからなし得たこと。言うなれば純粋な子供故の真理を突いた問いかけだが、色々なことを学び吸収して人として絶賛成長中のアスミの立ち位置を活かした話運びでした。

内面的に成熟し始めてきたアスミを見せてくれる一方で、最後の最後で今後に向けて物語が大きく進展しそうな気配を仄めかしてきましたなぁ。プリキュアだからそこまでシリアスに振らないと思うけど、ヒープリに関してはそっちに振ったほうがより魅力が出そうな感じもして悩ましいところです。ともあれ色々な意味で動きを感じさせてくれる回でしたし続きが非常に気になる。

ダルイゼンの純粋な疑問と好奇心がもたらす影響は…

ダルのどの最後の攻防で薄い本が厚くなる。今回もアスミが新たな感情を学んだところで一段落付くかと思いきや、最後の最後にとんでもないもの投下してきて心中穏やかではいられない。アイテム収集も大詰めで物語も半分近く経過しましたし、ここからが本番と言わんばかりの急転直下なのどかへの直接攻撃に非常に驚かされたのであります。

ダルイゼンも自身の宿主が何かという自分のルーツを気にし始めたりしていましたし、感情を学び人として成長していくアスミとは真逆のアプローチで掘り下げがなされそうで楽しみ。これまでにも見られた人と病原体の性質、その対比構造を用いた物語展開がどうなっていくのか非常に興味深いところです。他社を顧みることなく自身の欲求に素直に突き動かされる彼の行く末は果たして。

プリキュアの中でものどかに対する接触が多いダルイゼン。その彼の気配をことさらに感じ取るのどか等々。二人の関係性もただの敵対する者同士に収まらず、もしかしたらダルイゼンの大元の宿主が病に臥せっていた幼少期ののどかで、彼はそこから生まれた存在なのでは?という妄想も広がってしまうし。初登場時の二人の「生きてるって感じ」という台詞が被っていたのも今にして思うと…。

本当にここからが本番っぽいし更に盛り上がっていくことを期待せずにはいられない。再び病に倒れたのどかが再度立ち上がる時、ダルイゼンのルーツが明かされた時に、双方何を思いどのように変わっていくだろうか。その辺りに注目しながら見ていけたら良いなと思います。

いきなりのスタプリファンサービス要素に感謝!

気球の競技会にサラッと紛れ込んでいた懐かしのプルンスとロケットさん気球。本来なら春映画で絡みがあったはずの両チームだもんね。もしかしたらもう少しで公開となる映画の宣伝も兼ねたファンサービス要素だったのかもしれませんな。ひかる達のことなので本当にシレッと紛れ込んで知らない間に宇宙に旅立っていっていてもおかしくはないんだけどね!

まぁでも今回の「好き」から派生した悔しさや自分の弱さを直視するってスタプリにも通じるテーマでもあったよなぁと改めて思います。宇宙好きが高じて周りからは変わり者として見られて家族と遼じい以外に心許せる相手がいなかったのが初期の星奈ひかるでしたし。

それでも自分の好きを曲げることなく、辛いことや苦しいことを乗り越え自分の力で宇宙飛行士となり、最愛のララと再会したであろうところまで漕ぎ着けたのが、星奈ひかるという先輩プリキュアの生き様でもあったわけです。人間にとって「好き」は大きな力となり人を成長させる原動力になるのです。

その継承というわけでもないんだけど今回のお話のテーマ的に前作スタプリ、ひいては星奈ひかるの生き方って通じるものがあったんじゃないかと思った次第です。またスタプリチームにも会いたいな~。だからこそ映画を観に行こうぜ!っていうお話なのでした。