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デリシャスパーティ♡プリキュア 第38話 「おばあちゃんに会える!?おむすびと未来へのバトン」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第38話 「おばあちゃんに会える!?おむすびと未来へのバトン」 感想

先人たちが築き託した思いを今の世代が受け継いでいく。

コメコメの力によって時を超えたゆい達が触れた先人たちの熱き思い。今の自分達があるのはお婆ちゃんや親世代、師匠たちが思い描いたより良き未来を願う心が結実すればこそのものであることを、直接交流を果たしたことでより真摯に受け止め噛み締めて自分たちの力へと変えていくのが熱い。ご飯だけでなくおいしーなタウンに集う人々が築き上げたもの全てが、今を生きるゆい達を育むものとなっているのを実感出来て素敵。

その中でもやはりゆいの祖母よねの影響力はとても大きくて、孫であるゆいだけでなく視聴者目線で見ても彼女の考え方や言葉に込めた思いが、本作の根底に根付いていることを改めて感じさせてくれる。例え小さな支えでも自分の願いを受け継ぎ重ねていってくれたら、自分がいなくなっても大切な人たちが壁を乗り越える支えとなれる。明日を守る一助となれる。

よねの願いを受け継ぎ育んでくれたのがあの場に集った親世代であり師匠ジンジャーであり、その彼らを包み込み育んでくれたのが、願いの象徴でもある招き猫がシンボルとなったおいしーなタウンなのだろうと。本来であれば直接触れることの叶わない先達たちの思いを知り、自分たちがどれだけ優しく温かな気持ちで包まれ育まれてきたのかを実感する。

今の幸せが当たり前のものでもなく与えられるだけのものでもなく。自分たちもその一連の願いの流れの中に身を置き、次代を担う者たちが明るく幸せな生活を送れるようバトンを繋いでいく。プリキュアとしての使命だけでなく、一個人として一人の人としてやるべきこと。果たさなければならないことに思いを馳せるという意味でも今回は大きな転機となったのではないかと思う。

次を担う人たちの支えとなる。願いを受け止め次へと繋ぎ育んでいく。これが本作だけに留まらず今も連綿と受け継がれてきたプリキュアシリーズを象徴する普遍的なテーマというか。途切れることなく思いという名のバトンを次に託していくコンテンツの在り方を体現するものでもあって、色々な観点からも考えさせられる回だったのではないかと感じます。

ゆいとお婆ちゃんの二人だけの空間での会話も非常に印象深かったし、コメコメ一世を始めとする過去のエナジー妖精たちの頼もしさも際立っていたし、マリちゃんの師匠ジンジャーが託してくれた一世一代の置き土産とシナモンの冤罪を払拭するという希望のある明日への道筋を切り開く一筋の光明も授けてくれていた。色んな人の思いと願いが結実したからこそある今なのである。

よねの存在と言葉が多くの人に影響を与え、それを受け継ぎ体現したゆいがいたからこそプリキュアとなった仲間たちも結びつき、前向きな考え方をもってよりよい明日を見据えて歩むことが出来るようになった。今のでパプリチームとしての在り方が、願いが結実した一つの形であり証明と言っても過言ではないだろう。

先の人の思いを受け取り自分の中で消化して育み次へと託していく。人一人が成長するには食事だけでなく色々な人の思いや支えがあって成り立つことを。心身の中でも特に心の在り方を考えさせられる回でした。

ゆいが亡き祖母に寄せる思いの琴線。ゆいの人格形成やキャラ造形に多大な影響を与えているお婆ちゃんに対して抱く強い思い。その繊細な心情描写や微細な変化を丁寧に描き出してくれたことに感謝しかない。今回のゆいとお婆ちゃんの会話シーンは本当に見応えあってよかったなぁ。

二人だけの時にゆいを演じる菱川花菜さんの声のトーンも通常時とは少し違う感じというか。幼さや甘えるニュアンスを含んだ感じになっていて素敵でした。そんなゆいの思いを汲んでさり気なく支えてくれるデパプリチームの心遣いもまた温かみに溢れていて最高。友達も含めて皆がゆいの心を育んでくれているのが伝わってくるようだ。

歴代でもママキュアに連なる者は年不相応に若く見えるのが常かもしれないが、拓海の母親あんもまた若いというか今とそんな変わらない感じで美しさを保っていると改めて感じるのです。前回登場したあまねのご両親は年相応に変化してる感じでしたが、あんとゆいの母あきほは本当に今も若いままで凄い。あきほさんは今回板前修業で不在でしたが、20年前の姿も見てみたかったですなぁ。

お婆ちゃんの若い頃もゆいちゃんをそのまま大きくしたような美人でしたし、親子三代に渡って似ていることは間違いないだろう。環境要因もさることながらやはり遺伝子の力は恐ろしい。