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デリシャスパーティ♡プリキュア 第25話 「新たな怪盗!?にこにこキャンプでごわす!」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第25話 「新たな怪盗!?にこにこキャンプでごわす!」 感想

大人になっても決して色褪せることのない素敵な夏の思い出。

今年のプリキュアは海ではなく山でキャンプ!普段とは異なる環境で与えられる彩り豊かな刺激や体験。大自然の中で行うキャンプの思い出もまた食とは違う形でゆい達の心身を健やかに育み、彼女たちの成長を促してくれているのだなと感じられて良い。大人の立場から発せられるマリちゃんの言葉がもたらす味わい深さも染み渡るし子供の時の得難き体験は本当に貴重で一生ものの思い出になることを今だから実感できる。

おむすびはコメだけにしてならずというゆいのお婆ちゃんの教えに倣うわけでもないのですが、ただ食べて体を大きくすることだけが成長ではないのですよね。そこに内面が伴って人は初めて大人に近づいていくわけで。そのために必要な心の成長というか成熟には、いろんな人との交流や経験が必要不可欠なものである。時に失敗や挫折もあるけれど、それだって必要な得難き体験なのです。

未経験のため上手く行かなった火起こしや、調理に必要な鍋を忘れてしまう等、今回も失敗談とも言える要素が散りばめられていましたが、そういった記録にあまり残らないような些細な失敗や無駄とも思えるような経験こそが、人をより豊かに育んでくれるし上手くいったことよりも失敗したり思わぬトラブルに見舞われたことの方が、人の記憶に深く刻まれることも往々にしてあるもので。

そこへいくと今回新たな敵対者として登場したスピリットルーは、プリキュア側が掲げるテーマや彼女たちの成長要素に対するアンチテーゼ的な存在として位置づけられているのかなと思える。一切の無駄を省いた詳細なデータの蓄積。ロボ故に一切の必要性のない食事の有用性に対する疑問符。記憶よりも記録の普遍性に重きを置いた成り立ち等々。

昨今では人間の中でも食事の合理性に拘り、完全栄養食さえあれば食事は要らないと主張する人もいるし、様々なデジタル機器が進化し普及した時代だからこそ、普遍的なデータとしての記録の優位性・有意性を説く人もいる。科学がもたらす恩恵や合理化を否定するわけではないのだが、それらが顕著かつ先鋭化しつつある現代だからこそ、自然の摂理に身を委ねたり感情を揺さぶられるような体験。

その有り難みを噛みしめることもまた大切なのではないかと。そう思えたデパプリのキャンプ回でありました。歴代の追加キュアや年上お姉さんに稀に見られるお化け苦手設定にあまねが該当して右往左往する姿も可愛らしかったし、夏休みの宿題に追われることなく夏の風物詩を満喫する皆の姿を見られて良かったよ。願わくばマリちゃんが言ったように、皆にとってこの一夏の思い出が大人になっても忘れられない素敵な思い出になりますよう。

ブンドル団期待の新星スピリットルーが華麗に参戦!怪盗というには怪盗らしからず方向音痴だったりプリキュアの世話を焼いたりその健闘を称えたりと人柄の良さ?みたいなものが溢れてしまっていてロボなのに人間味に溢れる異質のキャラになっていますが、本作の中でも際立つ異例の存在とも言えるスピリットルーが、今後どのような役割を果たしていくことになるのかは注目してみていきたい。

上述したように本作のテーマやプリキュア達の成長に対する一種のアンチテーゼ、対照性をもたらす役割もあるのかなと今のところ感じているのですが、それ以外にもマリちゃんの反応からしてクッキングダム側との繋がりにも関わる位置付けにいそうなので。ひいてはゴーダッツ様の正体にも通ずる可能性もありそうなだけに、やはりスピリットルーの動向には要注目。

遂に2000キロカロリーの大台に乗ってしまった我らがキュアプレシャスの2000キロカロリーパンチ。留まるところを知らずに上がり続ける消費カロリーが最終的にどこまで行ってしまうことになるのか。個人的に密かに注目しておくことにしよう。