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デリシャスパーティ♡プリキュア 第24話 「コメコメなんて知らない!波乱のピザパーティ」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第24話 「コメコメなんて知らない!波乱のピザパーティ」 感想

コメコメとパムパムの喧嘩の果てに見える成長の兆し!

まさに長所と短所は表裏一体。時に自分とは異なる意見や価値観を持つ者と対峙し、衝突する中で一つずつ学び糧としながら成長していく様を、エナジー妖精であるコメコメとパムパムの喧嘩の中に見ることが出来た回でした。プリキュア同士の喧嘩ではなく妖精同士の喧嘩に焦点が当たっているのも、未成熟なコメコメが色々なものを吸収して成長する人の成長。本作の特質が反映されればこそな感じもします。

自分のワガママを押し通そうとしたことでパムパムと喧嘩したコメコメでしたが、自らの在り方を顧みて反省するコメコメに対し、独善的な姿勢で以て悪びれることもなく邁進し、自分こそが絶対を体現するナルシストルーとの対比も印象的な見せ方でした。この両者のスタンスの違いが、後々の可能性の広がりや成長度合いの分かれ目になるのではないかと思えるほどです。

明確な自分を持たずに周りに流されたり同調するばかりでは困るのだけど、だからと言って相手のことを考えず自分が自分がだけでも困りもの。人間関係や世界の均衡が保たれているのは、異なる個々が絶妙なバランスで混ざり合い調和しているからに他ならない。それを可能たらしめるのは相手を思いやり慮る気持ち。人が人たりうる精神性ではないだろうかと。

コメコメは純粋だけど純粋であるが故に思ったことを直球で言ってしまうし、自分がしたいと思ったことに素直に付き従ってしまう。でも、自分と同じように考えている相手がいることを知ったとき、コメコメが相手に目を向け思いを馳せたとき、今までは自己完結するばかりであった幼くも狭い世界が、より広く成熟した彩りある世界へ広がるのではないかと感じた次第です。それをして人の成長と言ってもいいかもしれません。

今回はサブタイにもあるように仲直りのピザパーティが行われていましたが、ピザも様々な具材が混ざり合い奇跡的なバランスで調和することで始めて至高の一品足りえる。それぞれの具材が自らの個ばかりを主張し、度が過ぎてしまえば均衡は失われ味も崩壊しかねないのです。円滑な人間関係の構築の肝はピザの中に見たりと言ったところでしょうか。

ともあれ更に大きくなったコメコメの姿は、パムパムとの喧嘩の一件から学びを得て糧とし、彼女の内面的な成熟と見える世界が広がったことの何よりの証し。色々なものを取り入れバランスを保ちつつ、ピザのように更に大きく膨らむかの如くコメコメが成長していってくれたなら、育ての親であるゆい達も言うことないだろうと。
あと厳しくも優しく接し見守ってくれたあまねのスタンスも光る今回のお話でした。やはり一人っ子ではなく兄妹がいるあまねの家庭環境を鑑みると、今回の話の性質からしても彼女の果たすべき役割は大きいし納得の立ち位置でした。

唯我独尊で我が道を突き進むナルシストルーのスタンスも、ある意味では清々しい。セクレトルーの発言にもあったように、長所を活かすために自己を見つめ直すという点において、コメコメと共通していた部分もあったと思うが、結果としては自己を顧みたコメコメは物理的にも精神的にも成長の兆しを見せ、一方のナルシストルーは善戦むなしくまたもプリキュアに敗北を喫し変わらぬ姿を晒すことになってしまっている。

まぁ彼も短所を指摘してきたフィナーレのゼロ距離射撃の余波で縛っていた髪が解けて長髪サラサラヘアーを見せてくれたので、見た目的には変わったところを見せてくれていたのだが今回の本質はそこにはないのでね。とは言え本気の一端を見せてくれたのも事実だし今後ナルシストルーがどんな姿を見せてくれるのか楽しみです。

本題からは逸れるかもしれないけど今年の夏休みの宿題をやってない枠はゆいとらんの二人でしたね。仕組まれていたとは言えテスト回のときでも振るわなかった二人なので、学業面においてゆいとらん、ここねとあまねで枠組みを定められてしまうのも致し方ないところだろう。数学で四苦八苦して早々に限界を感じるゆいとらんの姿もまた印象深い。学業であっても悩み苦労した先に成長はあるのです。ということにしておこう!