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デリシャスパーティ♡プリキュア 第20話 「あまねのマナーレッスン!憧れのレストラン」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第20話 「あまねのマナーレッスン!憧れのレストラン」 感想

マナーとは思いやりの精神から生ずるものと見つけたり。

ここねの家が営む高級レストランに招待されたゆい達が実践する食事マナーや礼儀作法。作中でも描かれたようにマナーとは互いに楽しい時間を過ごすために求められる決まりごとのようなもので、相手や周りの人を不快にしない思いやりの精神。配慮の気持ちから自然発生的に生ずるものでもあり、規律や規範をガチガチに押し付けるものでは決してないのですよね。

生来の性格や生徒会長という立場から、あまねが規律や規範を重んじる姿勢も理解出来るし、使命感や責任感が強いのはあまねの良いところでもある。しかし、一方で気負いすぎて一人で抱え込む傾向も依然として見受けられる。そこをここねが上手い具合に受け止めパンのように包み込んでくれることで、尖っていた部分が中和され、程よい塩梅の人間関係の形として織りなされていくのが堪らない。

ここねがあまねに大切なことを気付かせ包み込んだように、あまねもここねに対して両親の教えが彼女の中で根付いていることを気付かせてくれる等、さながらフルーツサンドのように互いが合わさることで良さを引き立てる関係性を育んでくれていたが、それも大切な相手を思う思いやりの精神があればこそで、これは食に関することだけではなく、人の成長や人間関係の成り立ちの根幹にある部分でもあるのかなと感じます。

思いやりこそがマナー。ここねの両親の教えでもあるそれですが、他者を思いやる気持ちが居心地の良い空間と楽しい時間を生み出す一種のスパイスとなる。

レストランに拓海や双子の兄を呼んだマリちゃんの計らいが、皆で過ごす楽しい時間をより楽しいものへ昇華してくれていたし、ドレスアップしたゆいに対し素直な気持ちを伝えられない拓海を前に、接近しやすい空気を作った上で二人をさり気なく誘導してくっ付けるマリちゃんの大人な気遣いが、居心地の良い空間を形成するのに一役買っていたところからも、それは明らかなのだろう。

マナーを大切な相手との食事をより美味しく、より楽しくするための方法だけに留まらず、人間の人格を形作り日々をより彩り豊かにする為のものとして描き出していたのが印象深い回でした。想像以上にここねとあまねの仲睦まじい姿を公式が推してくれてたのも個人的には嬉しかったし、戦闘中に二人がイチャつくことができたのも、ヘトヘトになりながらも戦い続けた他三人の気遣いあればこそのものだろう。

マナー講師として暴走というか突っ走りかけてポンコツ化が加速しそうになったあまねを、同じくポンコツ化が危惧されていたここねが上手いこと受け止めて歯止めをかけてくれたのも、似た者同士な一面のある二人だったからこそなのかもしれません。色んな意味で幸せ一杯、おなか一杯になる内容で満たされました。ごちそうさまでした!

ここねとあまねの仲を公式が想像以上に推してくれていて自分の許容量を超えてしまう成分が注ぎ込まれていて満たされる。あまねの存在が普段から可愛いここねの魅力を更に引き出してくれていたし、あれこれ考えて一人で抱え込んで弱気になってしまうあまねに対し、当初人付き合いが苦手で自分の意思を上手く伝えられなかったここねが、その意を汲んで寄り添ってくれるところに彼女の成長を感じられて良い。

公私に渡って仲睦まじくも微笑ましい姿を披露してくれたここねとあまね。これからも良い友だちにして頼れる仲間で在り続けて欲しいと願わずにはいられない。皆の芙羽様も今は親しみやすい年頃の女の子になってくれて言うことないのです。

挨拶はマナーの基本中の基本。ということでお上品な会話と言葉選びをしている作中の描写が凄く印象に残りました。いつもと異なり「準備はよろしくて?」なんて言う変身前のゆい達の口上なんかはGoプリ感ありましたしね。ナルシストルーがご機嫌ようなんて言葉を使ったのも、もしかしたら制作側にそういう意図があったのかもしれません。

今回はマナーがテーマになっていたけど意外とお遊び要素やコミカルな描写も多く、やはり堅苦しさや規範意識で雁字搦めになるのではなく、大切な人たちと楽しい時間を過ごす為に求められる思いやりと気遣いの精神こそが、人生をより楽しく豊かに彩るために大事なことだと教えてくれるような内容だったんじゃないかな。