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デリシャスパーティ♡プリキュア 第18話 「わたし、パフェになりたい!輝け!キュアフィナーレ!」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第18話 「わたし、パフェになりたい!輝け!キュアフィナーレ!」 感想

あまねく優雅な立ち居振る舞い!キュアフィナーレ誕生!

菓彩あまねが背負った過去の悔恨の念を吹っ切り、未来に目を向けキュアフィナーレとしてデビューする節目の回とあって、全編に渡って作画も気合が入っていたし演出も凝った作りになっていて制作陣がこの回に懸ける意気込みもヒシヒシと伝わってくるというものです。あまねがプリキュアとなる為の資格とレシピッピへの向き合い方に思い悩むのも全ては心優しき彼女の性格に起因したものになっている。

自分の意思ではなく操られていたとは言えジェントル―として自らが犯した行為に苦しめられた人々やレシピッピがいたことは紛れもない事実。それを自分がやったことだと受け止め責任を感じられるところに菓彩あまねという人物の人柄が集約されているとも言える。本当の自分が思い描いた皆を笑顔にする願いと真逆のことを行い合わせる顔がない状態に陥ってしまえばなおのことです。

お兄様ズが言っていたようにあまねが悩みを一人で抱え込んでしまうのも、罪を背負ったから自分はプリキュアになれないと考えるのも、全ては彼女の責任感の強さと優しい心意気の表れだと思う。それが今までの菓彩あまねという人間であり、彼女を彼女たらしめる菓彩あまねを形作る要素でもあると思います。だからこそ新しき明日へ目を向けるには新しい要素が必要になるのではないだろうか。

そして、あまねにとってのそれはゆい達の存在なのです。彼女の悩みを理解し心の底で思い描く願いを共有してくれる仲間たち。ゆいのお婆ちゃんの教えにもある通り過去や犯した過ちは変えることは出来ないが、自分が思い願う素敵な未来は今この瞬間から作っていくことが出来る。あまねにとってキュアフィナーレへの変身は、過去の精算と願う未来を形作る決意の表れでもあるわけだ。

キュアフィナーレの変身口上に「ジェントル」というフレーズが織り込まれているのも、過去を断ち切るのではなく犯した罪を受け止め、それでもより良き明日を、願う未来を形作る為に前へ進む。肉体を形作る食と同じく過去があるから今の自分があり、そして新たな要素を取り入れて新しい自分を形作っていく。今までとは異なる新しい自分になっていくという菓彩あまねの強い決意が込められたものになっていたように感じました。

プリキュアとしての覚醒が、菓彩あまねの人物像と心意気の変遷を体現するものになっていたのが非常に印象的で良かったです。年上のあまねが仲間に加わることで、ゆい達の関係性もまた新たなものへ形作られていく。皆を笑顔にすることに喜びを感じるあまねが、新たな彩りを加えてくれることで巻き起こる化学反応に期待せずにはいられない。ポンコツになるのか否かも含めて次回以降のお話が非常に楽しみ!

ジェントルにゴージャスに咲き誇るスウィートネス!キュアフィナーレ!ということでスパイシーすら戦う姿まで華麗と称したキュアフィナーレの美麗変身バンク。ゆい達より年上で大人っぽさを感じさせつつ各カットの細部に至るまで美人で男前な格好良さも内包していて画面を見ているだけで幸福感に包まれてしまう。

お顔の良さに反して衣装はデザートやお菓子といった可愛らしい要素が凝縮されていて、そのギャップもまた彼女の魅力を引き立てる要素になっているかなと感じます。ビジュアル公開時にも感じたけど、あまね自身もパフェに対して並々ならぬ思い入れがあるし、いつかキュアパルフェと共演する機会に恵まれたら良いなと思わずにはいられないのです。

あと上述して繰り返しになるけどキュアフィナーレの名乗り口上に「ジェントル」という今の彼女を形作る上で欠かすことの出来ない要素を盛り込んでいるのが非常に良いなと。あまねにとってジェントル―時代の所業は忌むべきものでもあるが、それも彼女を形作る上で欠かせない要素であり、また自分の行いや罪を全て受け止め受け容れた上で、新たな自分として未来を形作っていこうという覚悟の表れ。

それを示す口上にもなってると思うので。生身の状態で空手を体得しているのもあり戦闘シーンも洗練された力強さと美しさを感じさせてくれましたしね。追加戦士の圧倒的強者感は存分に示せていたのではないかと思います。これからの活躍が本当に楽しみ。

あまねにとって聞きにくいことを質問してくれたり、フィナーレの誕生を誰よりも素直に喜んで感情を爆発させてくれたりと、要所要所におけるマリちゃんの存在がやはり大きく有り難い。同年代だから言い出しにくいこと、近すぎるから見えにくいこともあると思うし本作におけるマリちゃんの立ち位置は、唯一無二のものだと改めて思わされるのです。

それにしてもイケボ特攻からのコチョコチョくすぐり攻撃は意外性の固まりすぎて。フィナーレ誕生とは別の意味でインパクトのある一幕でした。視聴者に確実に存在感を刻み込んでいくマリちゃんは、やはり恐ろしいキャラだ。