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デリシャスパーティ♡プリキュア 第13話 「うばわれた思い出を守れ!明かされる拓海のヒミツ」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第13話 「うばわれた思い出を守れ!明かされる拓海のヒミツ」 感想

品田拓海の心に秘められたヒミツと密かな決意が光る!

今回は作品の根幹に纏わる新要素が次々に明るみとなったり、新たな強敵ナルシストルーが前線に出張ってきたり、驚異のイケメン率を誇る男性キャラクター陣が揃い踏みしたりと、いつもとは色々な意味で趣の異なる味付けの濃い回であったと思います。主要キャラを見守る両親やお婆ちゃん、双子の兄やマリちゃんの思いや存在感が際立つからこそ奥行きの深さも生まれるというものです。

その中でもやはり極めつけは幼馴染である拓海のゆいに対する一途な思いであろう。父がクッキングダムに所縁のある人物であると判明し、ゆいがプリキュアとして覚醒するより一年も前に諸事情を伝え聞いていた彼の立ち位置。同い年ではなく先輩でもあった拓海の位置付けに対する言及が、公私を含め彼がゆいを庇護するべき存在として見る動機の説得力を増してくれる。

拓海の両親の馴れ初めの話。ゆいとお婆ちゃんとの思い出。拓海自身が大切に思う人たちが、思い出の味を尊重するからこそ彼もそれを守りたいと思えるし、そこを起因として自らの行動理念と定めるからこそ、彼の芯が揺らぐことはない。ゆいがマリちゃんに唆されているのでは?と疑念を抱きつつ、それでも先走ったり暴走したりしないのも、全ては拓海がゆいの大切にしているものを含めて守りたいと思えばこその行動。

ゆいが自分の意思でプリキュアとして活動していることを知った際に、お前の笑顔を守ると静かな決意を固めることが出来ることが何よりの証。ご飯は笑顔を信条に美味しいご飯に纏わる思い出や、それを通して繋がった人との大切な絆。ゆいの意思を尊重した上でそれも含めて全てを守り、笑顔を守ると決意する拓海のなんと男前なことかという話ですよ。

純粋な武力・戦闘力では超パワーを誇るプリキュアには及ばない。でも、最前線に立って戦う彼女たちの支えとなり、彼女らが大切に思うものを尊重して守ることは出来るのだと。謎の仮面戦士として正式デビューする前に、拓海のゆいに対する思いや、影になり日向になりゆいの為を思って行動する動機の根幹にあるものをしっかり示してくれたのは有り難い。

お婆ちゃんの教えを反芻するゆいとお父さんの教えを反芻する拓海。共に大切な思いを胸に秘め自ら掲げる信条を貫きそれぞれの大切なものを守るために。今回は陰ながら介入し皆の前に姿を見せることはなかった拓海ですが、ゆいと拓海が二人で並び立つ瞬間の訪れが今から楽しみでなりません。次回は色々な意味で必見ですね!

ジェントルーが去り裏から糸を引いていたナルシストルーが前面に出てきたことで変わった味わい。悪事に走りつつも根底にあるレシピッピを大切に思う気持ちを捨てきれなかったジェントルーに対し、自らの行いに悪びれることもなく邁進するナルシストルーの独善さが際立って見える感じがしました。

自分さえ良ければを地で行く彼の姿は、大切な人やものに思いを馳せるゆいや拓海の行動理念、原理とは対照的なものであり、ここから先の展開で表立って敵対することになる敵役としては、ある意味で納得の立ち位置というかキャラ造形なのかなという気もする。

名は体を表すではないけどその名が示す通りにどこか芝居がかった言動が多く、自己陶酔型の典型とも言えるようなナルシストルーの立ち回りにも注目していきたい。しかし、まともな初顔合わせの瞬間にナルシストルーに対して容赦なく「誰も待ってない」とか「残念イケメン」と言い放つここねとパムパムの青キュアコンビの辛辣な言葉が突き刺さるね。

これでらんらんの言う通り自分は操る側だと思っていたら実はナルシストルーも操り人形の一人とかだったら目も当てられないぜ。ともあれ潮目の変わったブンドル団の行動も要注目です。

拓海の部屋のクローゼットにある思わせぶりな衣装。もうここまできたら拓海が謎の白仮面戦士であることは疑いようもないところだが、あの場に駆けつける前の時点で既に衣装が存在しているという事実は忘れてはならないところだろう。これもデリシャストーンと一緒に衣装も受け継いだということなのだろうか。

今回は姿を見られないよう手助けをしていましたが、彼の変身シーンがどうなるのかは非常に気になる。プリキュアのように不思議パワーによる変身ではなく自前で衣装を用意してデリシャスフィールド内でいそいそ着替えてたかと思うと色々昂ぶってしまう…。そのあたり次回以降どのように描かれるのか楽しみ。