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デリシャスパーティ♡プリキュア 第6話 「学校!怪物!大パニック!?ねらわれたエビフライ!」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第6話 「学校!怪物!大パニック!?ねらわれたエビフライ!」 感想

自分の知見が及ばぬ未知のものこそ畏怖の対象となるものだ。

副題にもあるエビフライのように噂に尾ひれが付いて学校中がパニックになりかけていましたが、人は知らないものや未知の存在だから恐れを抱くものです。パムパムが意図せず家庭科室の怪物として畏怖の対象になったように、伝聞や噂に基づいて形成された芙羽ここねの高貴さに由来する近寄りがたい雰囲気もまた、彼女の人となりを知らず未知の領分があればこその距離感と言えるのだろう。

実際のここねは友達を欲していて友達の為に早起きして大量の手作りサンドをこさえ、また友達の危機に際しては危険を顧みることなく身を挺して助けに入ることが出来る心根の優しい子。自らの実体験を通してそれらを知ったクラスメイトの子ら三人が得た実感は、ここねを高貴な芙羽さまから自分たちと何ら変わることのないクラスメイトの芙羽さんへと転じさせてくれる。

倉庫に閉じ込められたクラスメイトの救出に際し、物理的に扉をこじ開ける過程で内と外からの共同作業を通じ、双方の心の扉も開かれ距離感が縮まるという見せ方が凄く良いなと思えたところです。生ハムメロンもそうでしたが未知から既知へと転ずることで今まで見えていたものが全く違ったものに見えてくる。それはここねだけに留まらず作中の色んな人物にも当てはまるような見せ方になっていたところからも窺えます。

最後にゆいとここねに目をつけられた謎のアカウントちゅるりんに対する冤罪にしても、ゆいとここねが華満らんの人となりを未だ知らず、彼女らにとってちゅるりんが未知の存在だからこそ警戒すべき対象として見えてしまっている。同じものであってもそれを知るか否かで見え方や印象は全く異なるという意味で、今回のここねとらんらんには共通したテーマのもとに味付けがなされていたんじゃないかな。

しかし、華満らんさんは最もレシピッピ強奪の被害に遭っている被害者なのに冤罪でブンドル団の関係者として容疑者にされ、リアル事情においてはプリキュアデビュー目前にして一ヶ月近く待機させられるというお預けもいいところな悲しき立ち位置を獲得してしまっている。それだけに来週!来週キュアヤムヤムとして覚醒し、ゆいとここねの仲間になる瞬間が本当に待ちきれないのです!

お預けされた分だけ光り輝くものもきっとある!空腹は最高の調味料にしてスパイス。逆にこれ以上ないくらい美味しい状況で堪能してもらえるとポジティブに捉え、キュアヤムヤムとしてこれから頑張ってもらいたい。次回本当に楽しみ!

声質からどう考えてもあの人としか思えない生徒会長の名前が菓彩あまねであることも判明し、その名前からやっぱり後々…という思いが更に強まったことは言うまでもない。「菓彩」の名前は前回マリちゃんがゆいとここねにグミを手渡していたシーンでもさり気なく言及されており、その名が示すようにお菓子に関わる製菓店のようなものなのかなと。

生徒会長の名が明るみになったことで彼女の印象もまた変わりましたが、プリキュアとの遭遇を避けるべく学校内を狙ったジェントルーも、ここねとゆいが私立しんせん中学校に通う生徒であることを知り、ここも一つの未知が既知になった一幕ということが出来ると思います。プリキュア側とは逆で無警戒から警戒対象となっているところもまた味わい深し。

自らを邪魔する者が校内にいるとあっては、ジェントルーの活動の幅も制限されていきそうなところですが、この双方の距離感や立場をどのように絡めて縮めていくのか。今後の描写がとても気になるところの一つです。

いろいろなことに敏感な昨今のご時世。たとえ自分の子供が通う学校であっても保護者が入るのに一苦労な時代なだけに、マリちゃんが不法侵入するのではなく保護者カードを見せ正規の手続きを経て校内に入ってくるシーンに、時代の流れを感じた次第です。ある意味で異世界人であり一昔前であれば、ぼかされて有耶無耶にされそうなところですが、こういうの今は本当に大切ですもんね。

制作サイドの苦労というか配慮を感じさせるのと同時に、細やかなところにも気配りの行き届いたデパプリに対する安心感と信頼感が増したところでもありました。