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デリシャスパーティ♡プリキュア 第1話 「ごはんは笑顔♡変身!キュアプレシャス」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第1話 「ごはんは笑顔♡変身!キュアプレシャス」 感想

ごはんは笑顔!みんな集まれ!いただきます!!

プリキュアシリーズ最新作のデパプリは「ごはんは笑顔」をキーワードに、食事や料理を通じて感じられる幸福や、人が生きる上で欠かすことの出来ないご飯が与えてくれる活力や生き甲斐。何気ない日々の中に当たり前のようにある温かな気持ちと、それを分かち合うことが出来る喜びが如何に尊く得難きものなのかを描き出してくれそうな気配が初回の時点で感じられました。

主人公の和実ゆいがまさにそれを体全体で表現してくれるような子で、エネルギッシュでバイタリティに溢れる行動力と活力に満ちた姿は、まさに本作を牽引する王道の主人公像であり、ピンクキュアに連なる者としての資質を感じさせてくれる。運動能力にも優れ社交的、大胆さを伴う行動力に素の状態でウバウゾーと渡り合う豪胆さも兼ね備えており、学業面は現時点で不明ながらも相田マナに通ずるハイスペックさを秘めた子なのかな。

オネエ系でともすれば色物枠になりかねないマリちゃんや幼馴染の拓海との掛け合いでは、ゆいもまた違った表情や言動を見せてくれていたし、キービジュやオープニングでも登場を仄めかされてるタキシード仮面枠の助っ人キャラも含め、男性キャラクターの本作における位置付けも、和実ゆいの人物像や本作のテーマを形成する上で不可欠の要素であることを思わせてくれる。

敵対勢力であるブンドル団にしてもシリアスに徹しようとしつつも早々に軽いノリを披露していて、ジェントルーも今でこそ生真面目な雰囲気を纏ってるけど遠からずポンコツ化するんじゃないかなという期待を持ってしまうのも致し方ないところです。だってブンドルブンドルー!の掛け声の時点でアレだし、中の人的にもやはり後々味方サイドに…ってどうしても思ってしまうし!

食事や料理が根幹にあるだけあって、ふとしたシーンに出てくる料理やそれを食べた際の反応も緻密に描いていたし、デリシャスマイルを生み出す食べ物が本作にとって如何に重要な物であるかを視覚的にも訴えかけてきてくれました。人間を形作る上でとても大切な食事。それを大切な人と分かち合うことで生まれる喜び。その上に始めて成り立つ平穏な日々。

現実のご時世がコロナで一変したこともあって、そうした世相的な要因も存分に反映されて生み出されたのが本作デパプリなのではないかと思います。食育とかそういうことではなくもっと基本的で根源的なね。当たり前の日常の中にあるそれが、本当はとても尊く得難いものなんだということを、ポップなテイストながらも真に迫った形で示してくれるんじゃないかと期待してしまう。

初回の掴みはバッチリだったと思うし、何より共に戦うプリキュアの仲間達とはニアミスしただけで本格的な交流はまだ始まってないので、役者が揃いそれらが相互に作用し合っていったときに、どうなっていくのかは見ものだし本当に先が楽しみ。まずは小難しいことは考えず本作の世界観と作風に慣れていき味わっていけたらいいなと思います。ゆいちゃん可愛いしこれから頑張って欲しい!

キュアプレシャスの変身バンクも趣向を凝らしていて見応えありました。コメコメと一緒ににぎにぎコメコメしておむすびを作り、そのおむすびを食べることで変身するというのは、一種の遊び心と共に本作のテーマが体現されたところでもあるかなと。おむすびを食べることでプリキュアに変身するエネルギーを得ているという見方も出来ますし、可愛らしい仕草を演出する中に色々な物が詰め込まれているんじゃないかと。

キュアプレシャスの衣装も和テイストの意匠が散りばめられていて新鮮さも伴っている。劇場版とかの限定フォームだと和装風プリキュアはいた(直近だと映画ヒープリのパートナーフォームやカグヤグレースフォーム)が、テレビシリーズ本編での和装衣装を取り込んだプリキュアはデパプリが初じゃないかな。そういうビジュアル面での目新しさというか目を引くポイントがありました。

戦闘描写においてもデビュー戦恒例とも言えるプリキュアジャンプ、プリキュア伝統芸を披露してくれていたし、ウバウゾーに投げ飛ばされた際の初代オマージュとも言えるアクションとカットは個人的に嬉しい点でした。500キロカロリーパンチに浄化時のごちそうさまでした等々。シリーズに連なるプリキュアとして継承すべきところはしながら存分にらしさを発揮できたデビュー戦だと思います。

ビジュアル的にも中の人的にも個人的に凄いツボなジェントルーさん。シュールさとインパクトを備えた「ブンドルブンドルー!」や「ブンブンドルドルブンドルー!」も本人的には至って大真面目にやってるので今のところは初見時のイメージが大きく崩れるようなところはないけど、それでも時間の問題かなという若干の危惧があるのもまた事実なのです。

どう考えても途中で仲間になってくれるよねと私も思っている一人ですが、ドキプリのレジーナのような前例もあるにはあるし、仮面の味方キャラと思しき存在との兼ね合いも含めて今後の動向を見守っていきたい。仲間になるとしたらぽこぴー枠に入ってきそうだけど、茅野愛衣さんなら格好いいジェントルーもポンコツなジェントルーも見事に演じ分けてくれるだろう。どっちの姿も見てみたいわ~。