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アイカツプラネット! 第10話 「世界に一つだけのハナ」 感想

アイカツプラネット! 第10話 「世界に一つだけのハナ」 感想

本当の気持ちを伝える勇気。

新しいハナと舞桜自身の本当のアイカツはここから始まる!

見た目と中身の不一致性。アイドルとファンの物理的な距離感以上に、実態が異なるからこそ生じる問題であり、そこに対するアプローチや話の展開が興味深い内容でもあった。先代ハナと今の自分が違うことに驚きや否定を示すファンもいる。頭では分かっていたつもりでも、いざファンの反応を実際に目の当たりにして怖くなってしまう舞桜の気持ちも当然のものだし分かる。

不動のトップアイドルであった先代ハナの影響力が凄まじかっただけに、のしかかる重圧やファンからの期待、転じて不満や拒絶も比例して大きくなるだろうが、自分で後を継ぐと決めた以上は舞桜が、いつかは向き合わなければならなかった問題でもあります。その正体明かしに際して舞桜のファンに対する真摯な姿勢や、何を一番大事にしていくのか。ひいては舞桜のアイカツに対するスタンス。

その方針を明確に打ち出していたのが巧い見せ方でもあったと思います。何よりもファンの皆に誠実に向き合う。今の自分に出来ることを表現し伝えようとする。これ即ち先代との差別化であり、舞桜にしか出来ない新たなハナ像の確立に他ならない。近寄りがたい華やかさや高貴さとは異なる親しみやすさ。それが先代・陽明咲とも違う舞桜のアイカツに対するスタイルであり、彼女ならではの個性や魅力に通じるのだ。

勿論それを受け容れられない人も当然いるだろう。作中でいずみさんが言及していたように、イメージが変わって離れたファンが一定数存在するのも事実だ。でも、逆に新しいハナに惹かれてファンになった人も少なからずいる。それもまた事実なのです。賛否も全て受け止めて前に進む為の勇気を出したことで、ここからが舞桜の本当のアイカツの始まり、新しいハナとしての第一歩と言ってもいいのだろう。他の誰でもないし先代とも違う。音羽舞桜が築く世界に一つだけのハナなのだ。

舞桜がアイカツを始めたキッカケって歴代の主人公のどれにも属さないタイプと言うか。特定の誰かに対する憧れの気持ちよりも、突発的な代役が先に来てた感じがあったのだが、ここに来て自分で勇気を出して踏み出した先に広がる新しい景色や可能性。アイドルとして応援してくれるファンの為に真摯に向き合い、応えようとする姿勢を見せてくれて、アイカツの主人公っぽさが備わってきた感じがしました。

この件に関しては後を継ぐと自分で決意した以上は、全てを負う覚悟を持たなきゃいけないし舞桜が矢面に立たされるのも致し方ないことであるが、どっちかというと何も言わずに失踪した先代の明咲の責任も同じくらい大きいと思うので、舞桜ばかりが責められるとか良心の呵責に苛まれるような展開にならなくて良かったというのが本音でもある。

炎上案件とか中の人が変わったことに対する否定的意見のような直接的な描写は避けられていたが、そこを突っ込むのも作品の性質や対象を考えるとやはり違う気がするし。上でも触れたようにハナの印象が変わって離れたファンもいるということに一応触れてはいたのでね。このくらいが落とし所なのではないかと思います。初回を見た時に自分が期待したことの一つが、今回の話の中に見えました。

マネージャーのいずみさんがちゃんとフォローしてくれて良かった

今までハナの中の人が舞桜に変わったことを何だかんだ理由をつけて先延ばしにしているのでは?と思ったこともあっただけに、いずみさんがちゃんと記者会見などの準備を進めていて然るべきタイミングを伺っていたのが分かって一安心。それこそ行方不明になった明咲を見つけるまでの時間稼ぎとか繋ぎ要員として見ていたら、それこそ炎上案件なので、そうならなくて本当に良かったよ。

舞桜と一緒に矢面に立って責任の所在を説明してくれたし、立場もあるだろうけど発表直後で何があってもおかしくなさそうなファンと直接触れ合う交流イベントにも立ち会ってくれたし。何よりも舞桜の意思を尊重し見守ってくれているスタンスに安堵する。明咲さんもせめていずみさんには直接去ることを伝えてあげたら良かったのに…。