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アイカツプラネット! 第4話 「やまとなでしこロック変化」 感想

アイカツプラネット! 第4話 「やまとなでしこロック変化」 感想

固定観念を自分らしさで覆す!

周りの人が築き上げた既存のイメージ像を新しい自分像で塗り替える!

学校の先輩にしてアイドルの先輩。梅小路響子/ビートのキャラクター性が好きだなぁ。見た目から来るイメージと中身にギャップのあるキャラで、本作が始まる前に自分が本作の特色として挙げた外見と中身の不一致性。イメージの乖離。それが現時点で最も色濃く反映されたキャラでもあると感じます。その意味においてもハナの先を行くアイドルと言えるかもしれません。

才色兼備のお嬢様で人当たりが良く面倒見も良い優しい先輩。まさしく良家の子女にして学園のアイドル、高嶺の花というイメージを周囲から向けられるのも無理からぬ人物像ですが、実際の彼女は茶目っ気たっぷりで冗談も交えるウィットに富んだ親しみやすい人物であり、周囲が築き上げた自分の理想像に息苦しさを感じ、アイカツプラネットの中で、それを打破する自己表現を求めているアイドルでもある。

この築き上げられたイメージからの脱却。当たり前と思われてることに対して疑問を持ち、固定観念に捕らわれることなく自分らしさを追い求める姿勢。これって梅小路響子という個のキャラ造形に留まらず、アイカツシリーズ全体における本作プラネットの位置づけとか意義。それを踏まえた上でのプラネットらしさとして表現するテーマに直結する部分でもあると思う。

既存の枠組みに捕らわれない自由な発想や道なき未知に挑戦する姿勢。閉塞し完成した状況を打破して新しい人物像・作品像を確立していく一種の冒険でもあり挑戦。そういう意味も含めて梅小路響子/ビートのキャラクター性は、本作の掲げるテーマを体現する存在と言っても過言ではないのかもしれません。まさに、舞桜/ハナの先を征く先輩アイドルとして申し分ない。

無論、築き上げられたイメージ。固定観念を覆されることに抵抗感や違和感を抱く人もいるだろう。作中でも先代ハナと舞桜が扮する今のハナとのイメージの違いに、若干の戸惑いや違和感を抱いている人も少なからずいるし、舞桜自身も先代との乖離を気にかけ自分らしく振る舞うことでイメージを損なうことに戸惑いを感じ迷っている姿も見受けられた。

でも、今のハナとこれからのハナを作り上げていくのは他ならぬ舞桜自身。一時の代役ではなく継承することを決めたからこそ、尊敬の念を持ち良いところは受け継ぎながらも自分ならではのハナ像を模索していかなくてはならない。理想のハナ像を追うのではなく自分にしか出来ない新たなハナ像を築き上げる。それこそがアイカツプラネットの主人公、音羽舞桜の使命にして成し遂げなくてはいけないことでもあるのだ。

周囲の人が向ける理想像。築き上げられた固定観念。それらに捕らわれることも臆することもなく自分のやりたいことに向かって全力で自己表現する響子の登場と出会いは、舞桜にとってもアイカツプラネットにとっても大きな意味を持つターニングポイントであったと思います。シリーズの方向性や本作の特色という観点からみても、今回の話の中で描かれていたことって凄い重要なことなんじゃないかな。

お淑やかな大和撫子から一転!弾けるロックなビートのリズム!

実写パートでは絵に描いたようなお淑やかな良家のお嬢様で、習い事にしても生花や舞踊や琴など和を重んじるものが強調されていただけに、秘密の小部屋でのティータイムや、ライブ時のロックやヒップホップスタイルなどの対照的な要素がより際立ち印象的なものとして映り込んでくる。ドレスチェンジ前のヒップホップブレイクのコーデが良い意味で予想外で味わい深い。

ただ、それもブラッディロックと同様に周りが響子に抱く構築された理想像。そのイメージからの脱却を図るスタイルでもあるのだなと。どこまでも自由奔放に弾けるスタイル。自分のやりたいことや思ったことに全力なビートの有り様は、見ていて清々しさを感じさせてくれるよ。ヒップホップブレイク逢来りんとブラッディロック松永あかねコンビもまた良いものであった。